心因性EDの原因とは?主な症状や対処法、治療法を解説
- 更新日:2025.03.13
- 投稿日:2025.03.01

パートナーとの性生活に不安やストレスを抱えていませんか? 実は、ED(勃起不全)は身体的な問題だけでなく、心理的な要因が大きく影響しているケースがあります。 心因性EDは、年齢とともに発症率が上がる傾向にあるとされています。
この記事では、心因性EDの主な原因や症状、そして具体的な対処法や治療法まで、網羅的に解説します。 記事を読んで心因性EDを改善し、パートナーとの性生活を楽しく満足できるものにしましょう。
MSクリニック横浜では、EDでお悩みの方に対して適切な診断と治療を提供しています。一人で悩まず、適切な情報を得て、より良い生活への一歩を踏み出しましょう。
心因性EDの主な原因5つ
心因性EDは、心理的な要因によって勃起機能が低下する状態です。心因性EDの主な原因として、以下の5つが挙げられます。
- 精神的なストレス
- パートナーとの関係悪化
- 性行為へのプレッシャーやトラウマ
- 加齢による自信喪失
- うつ病などの精神疾患
精神的なストレス
ストレスは自律神経のバランスを崩し、勃起機能に深刻な影響を及ぼす可能性があります。ストレスを感じると交感神経が優位な状態になります。血管が収縮し、勃起に必要な血流が十分に供給されにくくなります。
慢性的なストレスは、EDを慢性化させるリスクを高めます。過酷な労働環境に置かれているビジネスマンは、常にノルマや納期に追われ精神的に疲弊している場合があります。心身ともに緊張状態が続きEDを発症するリスクが高まります。家庭環境の不和や経済的な不安なども大きなストレスとなり、EDにつながる要因です。
具体的なストレス要因を以下に記載しました。
- 長時間労働
- パワハラ
- リストラへの不安
- 夫婦喧嘩
- 育児の負担
- 介護
- 多額の負債
- 生活苦
- 病気や怪我
- 持病の悪化
ストレス要因は単独で作用することもあれば、複数重なってEDを引き起こすこともあります。
パートナーとの関係悪化
パートナーとの関係は性生活に大きな影響を与えます。関係が悪化すると、性行為に対する意欲が低下しEDにつながるケースがあります。
コミュニケーション不足や些細な喧嘩が慢性化すると、お互いへの愛情や信頼感が揺らぎ、性的な魅力を感じにくくなります。性的嗜好の違いや性行為の頻度に関する考え方のズレも、EDの背景にある可能性があります。
良好なパートナーシップは、心身ともにリラックスした状態で性行為を楽しむための基盤です。日頃からお互いの気持ちを尊重し、素直に話し合うことでより深い絆を育みEDのリスクを軽減できます。
性行為へのプレッシャーやトラウマ
過去の性行為での失敗体験や性的なトラウマは、EDの大きな原因です。「勃起できるだろうか」「相手を満足させてあげられるだろうか」といったプレッシャーや不安は、勃起を阻害します。
過去の失敗体験がトラウマとなり「また失敗したらどうしよう」という不安が強くなると、さらに勃起しにくくなる悪循環に陥るケースもあります。幼少期の性的虐待などのトラウマは、性行為に対してネガティブな感情を抱かせ、勃起機能に影響を与える可能性があります。
失敗体験やトラウマは性行為を「楽しいもの」ではなく「怖いもの」「辛いもの」と認識させてしまうため、勃起という自然な生理現象を妨げてしまうのです。
加齢による自信喪失
加齢に伴う身体機能の低下は、自然な現象です。しかし、加齢による変化をネガティブに捉え、自信を失ってしまう人もいます。性機能の衰えは、男性にとって大きなコンプレックスとなりやすく、EDを悪化させる要因です。
「もう若くない」「以前のように勃起できない」といった思い込みは、心理的なプレッシャーとなり、勃起機能をさらに低下させます。加齢による変化を自然なこととして受け入れることは、EDの予防・改善において重要です。
加齢によって性機能が低下することは事実ですが、必ずしもEDを発症するとは限りません。適切な生活習慣を維持し心身ともに健康な状態を保てば、年齢を重ねても充実した性生活を送ることが可能です。
うつ病などの精神疾患
うつ病や不安障害、パニック障害などの精神疾患は、EDと密接な関係があります。脳内の神経伝達物質のバランスを崩し、性欲減退や勃起不全を引き起こす可能性があります。
精神疾患の治療に用いられる薬の中には、EDを副作用として引き起こすものもあるため注意が必要です。精神疾患の治療中でEDの症状が現れた場合は、自己判断で服薬を中断せず、必ず経験豊富な医師に相談しましょう。
心因性EDの原因は多岐に渡り、複数の要因が複雑に絡み合っているケースもあります。重要なのは一人で悩まずに専門医に相談することです。医師は、あなたの話を丁寧に聞き適切な検査や治療法を提案してくれます。
MSクリニック横浜では、EDの診療を行っております。無料相談もできますので、お悩みの方はご相談ください。
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心因性EDの症状とセルフチェック方法について
心因性EDの症状は自分自身で確認できます。具体的な症状は以下のとおりです。
- 勃起力・持続力の低下
- 性的刺激への反応の悪化
- 朝立ちの減少または消失
- 性行為への関心の低下
勃起力・持続力の低下
勃起力や持続力の低下は、心因性EDの代表的な症状です。性行為の最中に勃起が弱まり、十分な硬さを保てないといった状態を指します。
心因性EDの場合、勃起そのものが全くできないというよりは「勃起はするものの満足のいく性行為を続けられない」といったケースが多いです。常に勃起力が低下しているわけではなく、場合によって勃起に問題がない場合もあるのが特徴です。
以下の場合、心因性EDの可能性が高いと考えられます。
- 朝立ちはあるのに性行為のときにはうまく勃起しない
- 特定のパートナーとの性行為の際にだけ勃起力が低下する
- 性的興奮の度合いによって勃起の強さが変わる
器質性EDの場合は加齢や生活習慣病などが原因で血管が硬くなり、常に勃起力が弱い状態になります。
性的刺激への反応の悪化
性的刺激に反応しにくくなることも心因性EDの重要な症状です。通常、視覚的な刺激や身体的な接触、性的な空想などによって、性的興奮が生じて勃起へとつながります。心因性EDの場合は性的刺激に反応しにくく、勃起がなかなか起こらなかったり、弱い勃起しか起こらなかったりします。
性的刺激への反応の悪化は、心理的な要因が大きく影響しています。強い不安やストレスやパートナーとの関係への悩み、過去の性体験におけるトラウマなどが性的興奮を妨げ、勃起しにくい状態を引き起こしている可能性があります。
朝立ちの減少または消失
朝立ちは、男性が睡眠中に自然に勃起する現象です。朝立ちの減少や消失は、EDのサインである可能性があります。ただし、心因性EDの場合、必ずしも朝立ちが消失するわけではありません。朝立ちはあるものの、性行為の際に勃起できないケースも多いです。
心因性EDが身体的な問題ではなく、心理的な要因によって引き起こされるためです。朝立ちの有無は、EDの原因が心因性か器質性かを見分ける重要なポイントの一つとなります。朝立ちが正常であれば、心因性の可能性が高いと考えられます。朝立ちが消失している場合は、血管や神経の障害といった器質的原因の可能性も考慮する必要があります。
性行為への関心の低下
性行為への関心が薄れることも、心因性EDの症状として現れることがあります。EDによって性行為がうまくいかないと、次第に性行為に対してネガティブな感情を抱くようになり、関心が低下してしまいます。
性行為への関心の低下は、精神的なストレスやパートナーとの関係悪化など、心因性EDの原因そのものである場合もあります。性行為への関心が以前よりも薄れていると感じる場合は、背景にある心理的な要因、社会的な要因などを探りましょう。
特に「妻だけED」の場合、パートナーとの関係性が大きく影響することがあります。夫婦関係の変化や心理的な要因がどのようにEDに関係しているのか、また改善するための具体的な対策について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
>>妻だけEDの特徴は?勃起しない原因と治し方、夫婦で取り組むべき対策
セルフチェック方法
心因性EDのセルフチェックとして、以下の項目に該当しないか確認しましょう。性行為の際に、満足のいく勃起力や持続力を得られていますか?
- 性的刺激に対して、以前と比べて反応が鈍くなっていませんか?
- 朝立ちの頻度はどのくらいですか?以前と比べて減少したり、消失したりしていませんか?
- 性行為に対して、以前と比べて関心が薄れていませんか?
- 日常生活で強いストレスや不安を感じていますか?仕事や人間関係、経済的な問題などで悩んでいませんか?
- パートナーとの関係に問題を抱えていますか?コミュニケーション不足や喧嘩、性的な不一致などで悩んでいませんか?
- 過去に性的なトラウマとなるような経験はありませんか?
上記の項目に当てはまるものが多い場合、心因性EDの可能性が考えられます。ただし、セルフチェックはあくまで簡易的なものです。正確な診断を下すためには、専門の医療機関を受診し、医師の診察を受けることが重要です。一人で悩まず気軽に相談してみましょう。
心因性EDの主な治療法と対処法
心因性EDの対処法はすぐに始めることができます。治療をしたい場合は専門のクリニックを受診しましょう。
- パートナーとのコミュニケーションの改善
- 相談による不安やストレスの軽減
- 認知行動療法による思考パターンの改善
- 生活習慣の改善
- 専門クリニックへの相談と受診
パートナーとのコミュニケーションの改善
パートナーとの良好なコミュニケーションは、心因性EDの改善の鍵です。性生活に対する不安やプレッシャーを共有してお互いの理解を深め、二人の関係性をより強固なものにしましょう。
性生活において大切なのは肉体的なつながりだけでなく、精神的なつながりです。お互いの気持ちを尊重して素直に話し合い、より深い絆を育めばEDのリスク軽減につながります。
具体的には、以下のことを意識的に行いましょう。
- 気持ちを素直に伝える:「最近、少し自信がないんだ」「プレッシャーを感じている」など自分の気持ちを正直に伝えれば、パートナーはあなたの不安を理解してくれます。
- 相手の気持ちを尊重する:パートナーの意見や気持ちを尊重し、性生活について一緒に考えていく姿勢を示しましょう。性生活は一方的なものではなく、お互いが満足できるものでなければなりません。
- 具体的な要望を伝える:「今日は少し疲れているからハグだけにしてほしい」など、具体的な要望を伝えて誤解を防ぎ、より良い関係を築きましょう。
- 感謝の気持ちを伝える:「いつもありがとう」「そばにいてくれて嬉しい」など、感謝の気持ちを伝えてお互いの愛情を確認し合い、より深い絆を育みましょう。
相談による不安やストレスの軽減
心因性EDの原因の一つとして、不安やストレスが挙げられます。相談では、専門のカウンセラーがあなたの悩みに寄り添い、不安やストレスを軽減するためのサポートをしてくれます。専門家の客観的な視点を取り入れることで、自分では気づかなかった問題点や解決策を見つけられる場合があります。
相談すると以下の効果が期待できます。
- 自分の感情を理解する:カウンセラーとの対話を通して、自分自身の感情や思考パターンを理解し、問題の根本原因を探ります。
- ストレス対処法を学ぶ:相談では、ストレスマネジメントの方法やリラクゼーションの方法を学べます。
- 自己肯定感を高める:カウンセラーのサポートを受けて自己肯定感を高め、自分に自信を持てるようになります。
認知行動療法による思考パターンの改善
認知行動療法は、心因性EDの原因となるネガティブな思考パターンを変えるための治療法です。例えば「勃起できなかったらどうしよう」という不安な気持ちを「勃起できなくても大丈夫。次はうまくいく」という前向きな考え方に変えて、性行為に対するプレッシャーを軽減し、勃起機能の改善を促します。
認知行動療法は、以下のステップを踏んで思考パターンを改善していきます。
- 思考のクセを見つける
- 思考のクセを検証する
- 現実的な思考に置き換える
認知行動療法は、うつ病などの精神疾患にも有効とされています。
生活習慣の改善
心身の健康は、EDの症状に影響を与える可能性があります。規則正しい生活習慣を送り、心身ともに健康な状態を維持すればEDの改善につながります。意識すべき生活習慣は以下のとおりです。
- バランスの良い食事
- 適度な運動
- 十分な睡眠
- 禁煙
生活習慣の改善は、心因性EDだけでなく、器質性EDの予防や改善にも効果的です。健康的な生活習慣は、血管の健康を維持して血流を改善する効果が期待できます。
専門クリニックへの相談と受診
心因性EDの治療には、専門クリニックへの相談と受診が不可欠です。専門クリニックでは、医師による丁寧な診察と相談を通して、患者さん一人ひとりに最適な治療法を提案してくれます。
専門クリニックでは、原因の特定や薬物療法、心理療法など、多角的な治療アプローチが可能です。心因性EDは多様な要因が複雑に絡み合って発症するため、専門医による的確な診断と治療が重要です。一人で悩まず専門クリニックに相談し、より早く効果的な治療を受けましょう。
当院では、ED治療薬として、院内処方しています。オンライン診療による処方も行っていますので遠方の方でも利用できます。気になる方はぜひ公式サイトをご確認ください。
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まとめ
心因性EDは精神的なストレスやパートナーとの関係悪化や過去のトラウマなどさまざまな心理的要因が複雑に絡み合って発症します。パートナーとのコミュニケーション改善や相談、認知行動療法、生活習慣の改善などさまざまなアプローチをご紹介しましたが、自分に合った方法を見つけることが重要です。
専門クリニックでは、医師やカウンセラーがあなたの悩みに寄り添い、最適な治療プランを提案してくれます。EDは適切な治療によって症状の改善が期待できます。勇気を出して一歩踏み出し、専門家のサポートを受けて、より良い性生活を取り戻しましょう。
年齢や生活習慣、ストレスなどがどのように影響するのか、EDになりやすい人の特徴や具体的な対処法について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
>>ED(勃起不全)の原因とは?なりやすい年齢や症状の特徴、対処法について
参考文献
Yafi FA, Jenkins L, Albersen M, Corona G, Isidori AM, Goldfarb S, Maggi M, Nelson CJ, Parish S, Salonia A, Tan R, Mulhall JP, Hellstrom WJG. “Erectile dysfunction.” Nature Reviews Disease Primers, 2016, 2, Article number: 16003.
ページ監修:総院長「葉山芳貴」紹介

総院長、医学博士 葉山芳貴
経歴
- 平成14年
- 聖マリアンナ医科大学 卒業
- 平成20年
- 大阪医科大学 大学院 卒業
- 平成22年
- 大手美容形成外科 院長 就任
- 平成27年
- メンズサポートクリニック開設
- 平成28年
- メンズサポートクリニック新宿 院長就任
- 平成28年
- 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)