早漏の基準と自己判断の目安!専門医が解説する正しい知識|MSクリニック横浜
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早漏の基準と自己判断の目安!専門医が解説する正しい知識

  • 更新日:2025.04.21
  • 投稿日:2025.04.21
早漏の基準と自己判断の目安!専門医が解説する正しい知識

「早漏かも?」と不安を抱え、誰にも相談できずに悩んでいませんか?実は、早漏の定義は医学的に明確に定められており、単純に射精までの時間だけで判断されるわけではないのです。

研究によると、膣内挿入後1分以内の射精に加え、射精のコントロール不能、そして本人やパートナーの苦痛、3つの条件すべてを満たす必要があります。1分以内でも満足していれば問題ない場合もある一方で、1分以上だとしても悩んでいれば早漏の可能性があるのです。

この記事では、早漏の基準や具体的な症状、原因、治療法を、経験豊富な医師が解説します。一人で悩まず正しい知識を身につけて、より満足のいく性生活への一歩を踏み出しましょう。

MSクリニック横浜では、早漏のお悩みに対して、医学的な根拠にもとづいた丁寧な診断と治療を行っています。これらの悩みは一人で抱え込まず、適切なサポートを受けることで根本からの改善が可能です。自信を持ってパートナーとの関係を築くためにも、まずは専門医に相談してみましょう。

早漏の基準3選

早漏の基準の3つの具体的な症状は以下のとおりです。

  • 挿入後1分以内に射精してしまう
  • 射精を制御できない
  • 精神的苦痛がある

挿入後1分以内に射精してしまう

早漏の最も特徴的な症状は、膣内挿入後1分以内に射精してしまうことです。早漏の診断基準の一つとして「膣内射精潜時時間(IELT)」があります。IELTとは、挿入から射精までの時間のことです。

IELTが1分未満の場合、早漏の可能性が高いとされます。しかし、IELTはあくまでも目安の一つであり、1分を超えていても早漏と診断されるケースもあります。大切なのは時間だけでなく、射精のコントロールの可否や、精神的な苦痛の有無も考慮することです。

挿入後2~3分で射精するケースを考えてみましょう。IELTは1分を超えていますが、射精のタイミングをコントロールできず、強いストレスを感じているとしたら、早漏と診断される可能性があります。

IELTが1分未満であっても、自分自身やパートナーが特に問題と感じていなければ、必ずしも治療が必要な早漏とは言えません。

早漏の症状が気になる方は、日常生活でできるセルフケアやトレーニング、医師による治療まで、幅広い選択肢があります。以下の記事では、効果が期待できる早漏対策の方法をわかりやすく紹介しています。
>>早漏対策で悩みを解消!効果が期待できる治療法と自宅でできる方法

射精を制御できない

早漏のもう一つの重要な症状は、射精のタイミングを自分で制御できないことです。「もう少し続けたい」と思っても、射精を我慢することができず、自分の意思に反して射精してしまう状態です。コントロールの喪失は、早漏の大きな特徴です。

射精のコントロールができないと、性行為に集中することが難しくなり、満足感を得にくくなります。パートナーにも気を遣わせてしまい、良好な関係を築くうえで支障となる場合もあります。

精神的苦痛がある

早漏は、身体的な症状だけでなく、精神的な苦痛も伴うこともあります。精神的な苦痛は、日常生活にも影響を及ぼす可能性があります。仕事や人間関係に集中できなくなったり、趣味や娯楽を楽しめなくなったりするケースも考えられます。

早漏によって生じる精神的な苦痛として、以下のことが挙げられます。

  • 性行為に自信が持てなくなり、自己肯定感が低下する
  • 常に不安や緊張を感じ、精神的に疲弊する
  • 性行為自体を避けるようになる
  • パートナーとの関係に影響が出る可能性がある

これらの精神的な苦痛は、早漏の治療において重要な考慮事項です。早漏の症状は人それぞれです。3つの症状すべてが当てはまるわけではありません。少しでも気になる症状がある場合は、一人で悩まずに経験豊富な医師に相談することをおすすめします。

早漏の原因

早漏の原因として考えられることは、以下のとおりです。

  • ストレスや不安
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 甲状腺機能亢進症
  • 睡眠不足
  • 過度な飲酒

ストレスや不安

ストレスや不安が早漏の大きな原因の一つです。ストレスを感じると、交感神経が活発になり、心拍数や血圧が上昇します。心拍数や血圧の上昇は、身体の緊張状態につながって射精の閾値が下がり、早漏を引き起こしやすくなります。

ストレスの主な原因は以下のとおりです。

  • プレッシャーのかかる仕事を抱えている
  • 職場の人間関係に悩んでいる
  • 将来への漠然とした不安がある
  • パートナーとのコミュニケーションがうまくいっていない
  • 性行為自体にプレッシャーを感じている

パートナーを満足させられるかの不安や、過去の性行為での失敗体験にトラウマがある場合などは、早漏の症状に影響を与える可能性があります。ストレスや不安を軽減するためには、自分自身と向き合い、何がストレスの原因となっているのかを特定することが重要です。

リラックスする時間を作ったり、趣味に没頭したり、信頼できる人に話を聞いてもらうなど、自分なりのストレス解消法を見つけることが大切です。

こうした心理的要因が原因で性機能に支障をきたす「心因性ED」は、早漏とも深く関係しています。特に包茎の方は、性的なコンプレックスや不安を抱えやすく、心因性EDを引き起こすリスクもあります。包茎とは、亀頭が包皮に覆われた状態を指し、刺激に慣れにくく敏感なため、早漏の原因にもなりやすいのです。以下の記事では、心因性EDの詳しい原因と対処法について解説しています。
>>心因性EDの原因とは?主な症状や対処法、治療法を解説

ホルモンバランスの乱れ

男性ホルモンであるテストステロンは、性欲や勃起機能、射精にも深く関わっています。テストステロンの分泌量が減少すると、性欲の低下や勃起力の低下だけでなく、早漏のリスクも高まります。

加齢とともにテストステロンの分泌量は自然に減少していく傾向があり、特に40代以降の男性で早漏の症状が現れやすくなるのは、ホルモンバランスの変化も一因と考えられます。

加齢だけが原因ではありません。睡眠不足や不規則な生活、過度なストレス、栄養バランスの偏りなども、ホルモンバランスの乱れにつながることがあります。生活習慣の見直しは、ホルモンバランスを整えるうえで重要です。規則正しい生活を送り、バランスの良い食事を摂るように心がけましょう。

改善が見られない場合は、ホルモン補充療法などの専門的な治療が必要となることもありますので、医療機関への受診を検討しましょう。

甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。ホルモンの過剰分泌は、新陳代謝を活発化させ、心拍数を増加させるなど、身体全体にさまざまな影響を及ぼします。性機能にも影響を及ぼし、早漏の原因となることがあるのです。

以下の症状がある方は、甲状腺機能亢進症の可能性があります。

  • 動悸
  • 息切れ
  • 発汗
  • 体重減少
  • イライラしやすい
  • 暑がり

これらの症状に加えて早漏の症状も出ている場合は、早めに医療機関を受診し、適切な検査を受けることをおすすめします。甲状腺機能亢進症は、放置するとさまざまな合併症を引き起こす可能性のある疾患です。少しでも気になる症状がある場合は、自己判断せずに経験豊富な医師に相談することが大切です。

睡眠不足

質の良い睡眠は、心身の健康を維持するために不可欠です。睡眠不足は、自律神経のバランスを崩し、ホルモン分泌にも悪影響を及ぼします。性機能の低下や早漏につながる可能性があります。

睡眠時間が6時間以下の方は、やや睡眠不足気味と言えます。5時間以下の方は、慢性的な睡眠不足に陥っている可能性が高く、早漏のリスクも高まっていると考えられます。

理想的な睡眠時間は7時間以上と言われています。毎日の睡眠時間を記録し、自分の睡眠時間がどのくらいか把握してみましょう。睡眠の質を高める工夫は以下のとおりです。

  • 寝る前にカフェインを摂らない
  • 寝室を暗く静かにする
  • 寝る前にリラックスする時間を作る

睡眠時間を確保し、睡眠の質を高めるように意識してみてください。

過度な飲酒

過度な飲酒は早漏のリスクを高める可能性があります。アルコールは中枢神経系に作用し、性機能を抑制する可能性があるためです。

アルコールの過剰摂取は、男性ホルモンであるテストステロンの分泌を減少させる可能性もあります。テストステロンの減少は、性欲の低下や勃起不全にもつながります。過度な飲酒は性機能全体に悪影響を及ぼすこともあるので、注意が必要です。

毎日飲酒する習慣がある方は、飲酒量をコントロールし、休肝日を作るなど、健康的な生活を心がけることが大切です。

早漏の治療法

早漏の治療法は以下の2種類があります。

  • 行動療法
  • 薬物療法

行動療法

早漏の行動療法は、性行為を通じて射精のタイミングをコントロールする技術の習得を目指す治療法です。性行為のパートナーと一緒に行う「スクイーズ法」と、自身で行う「ストップ・スタート法」などがあります。

スクイーズ法は、パートナーと協力して行う方法です。射精が近づいてきたと感じたら、パートナーに陰茎の亀頭と付け根の間を強く数秒間押さえてもらいます。圧迫によって射精が抑制され、射精のタイミングを遅らせる効果が期待できます。パートナーとのコミュニケーションが不可欠な治療法であり、お互いの理解と協力が成功の鍵となります。

ストップ・スタート法は、自慰行為を通じて行う方法です。射精間近になったら刺激を中断し、射精する感覚が収まったら再び刺激を再開します。繰り返すことで、射精のタイミングをコントロールする訓練になります。自分のペースで進められるため、精神的な負担が少ないというメリットがあります。

行動療法は、薬を使用せずに早漏を改善できる可能性がある一方、パートナーとの協力や自己訓練が必要となるため、根気強く継続することが重要です。

薬物療法

早漏の薬物療法は、脳内物質の働きを調整することで射精までの時間を延長させる治療法です。主に抗うつ薬の一種であるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が用いられます。

早漏治療薬として用いられるSSRIの「ダポキセチン」は、服用後30分〜1時間後に効果が現れ、4~5時間持続します。日常生活への影響が少ないため、早漏治療の第一選択薬です。

陰茎に塗布する局所麻酔薬もあります。リドカインなどを主成分とする外用薬やスプレーがあり、塗布することで陰茎の感覚を鈍らせ、射精までの時間を遅らせる効果が期待できます。

薬物療法は即効性があり効果も比較的高い治療法ですが、吐き気や眠気、頭痛などの副作用が現れる可能性があります。必ず医師の診察を受け、適切な薬剤を選択し、用法・用量を守って服用することが重要です。

行動療法と薬物療法を組み合わせる場合もあります。医師とよく相談し、自分に合った治療法を見つけることが、早漏の改善への第一歩となります。

MSクリニック横浜では、以下の早漏治療を提供しています。

  • 早漏治療薬(内服薬)
  • ヒアルロン酸注入法
  • 包皮環状切除法
  • 包皮小帯切除法
  • 亀頭冠真珠様丘疹除去手術

早漏治療について詳しく知りたい方は当院の以下のページをご覧ください。
>>MSクリニック早漏治療について

まとめ

「もしかして早漏?」と不安に感じている方も、まずはご自身でチェックし、必要であれば経験豊富な医師に相談してみましょう。早漏は決して恥ずかしいことではなく、適切な治療によって改善が期待できる症状です。

一人で悩まず、専門家のサポートを受けて、より満足のいく性生活を手に入れましょう。

なお、早漏の原因として見落とされがちなのが「包茎」です。包茎とは、亀頭が包皮に覆われた状態のことを指し、亀頭が刺激に慣れていないために過敏になり、結果として早漏を引き起こすケースがあります。以下の記事では、包茎と早漏の関連性をわかりやすく解説し、根本から改善するための方法をご紹介しています。
>>包茎と早漏の関連性と改善法!根本から解決するアプローチ法

参考文献

Chris G McMahon, Stanley Althof, Marcel D Waldinger, Hartmut Porst, John Dean, Ira Sharlip, P G Adaikan, Edgardo Becher, Gregory A Broderick, Jacques Buvat, Khalid Dabees, Annamaria Giraldi, François Giuliano, Wayne J G Hellstrom, Luca Incrocci, Ellen Laan, Eric Meuleman, Michael A Perelman, Raymond Rosen, David Rowland, Robert Segraves; International Society for Sexual Medicine Ad Hoc Committee for Definition of Premature Ejaculation. An evidence-based definition of lifelong premature ejaculation: report of the International Society for Sexual Medicine Ad Hoc Committee for the Definition of Premature Ejaculation. BJU Int, 2008, 102(3), p.338-350.

 

ページ監修:総院長「葉山芳貴」紹介

葉山芳貴

総院長、医学博士 葉山芳貴

経歴

平成14年
聖マリアンナ医科大学 卒業
平成20年
大阪医科大学 大学院 卒業
平成22年
大手美容形成外科 院長 就任
平成27年
メンズサポートクリニック開設
平成28年
メンズサポートクリニック新宿 院長就任
平成28年
医療法人清佑会 理事長 就任

資格

医師免許(医籍登録番号:453182)

保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)