器質性EDの症状は?原因や検査方法、治療法を解説|MSクリニック横浜
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器質性EDの症状は?原因や検査方法、治療法を解説

  • 更新日:2025.03.26
  • 投稿日:2025.03.19
器質性EDの症状は?原因や検査方法、治療法を解説

男性機能の衰えを感じて悩んでいませんか? 勃起しない、または勃起が続かないといったED(勃起不全)は、多くの男性が抱える悩みです。加齢だけが原因と思われがちですが、実は糖尿病や高血圧、生活習慣病などの要因が絡み合っています。身体的な問題から引き起こされる「器質性ED」の可能性もあります。

この記事では、器質性EDの症状や原因、検査方法、具体的な治療法などを解説します。ご自身の症状と照らし合わせながら、不安を解消し、自信を取り戻すために理解を深めましょう。

MSクリニック横浜では、EDでお悩みの方へ無料相談を実施しています。経験豊富な医師が丁寧にご相談に応じますので、お気軽にご予約ください。
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器質性EDの主な症状5つ

器質性EDの主な症状は、以下の5つです。

  • 勃起しない
  • 勃起しても十分硬くならない
  • 勃起の維持ができない
  • 朝立ちしない
  • 性的興奮を感じても勃起しない

勃起しない

全く勃起しないのは、EDの症状の中でも特に深刻な状態です。性的刺激を受けても、ペニスが全く反応を示さない、あるいは少し反応するものの、性行為に臨めるほどには勃起しない状態です。

性的刺激の種類に関わらず、勃起しない状態が続くと、精神的な苦痛や自信喪失につながる可能性があります。

勃起しても十分硬くならない

勃起はするものの、性行為を行うのに十分な硬さが得られない状態です。多くの器質性ED患者さんに見られる症状です。ペニスは少し硬くなるものの、すぐに萎えてしまう、性行為中に硬さが持続しないなどです。挿入が困難な状態に陥る場合もあります。

十分な硬さが得られないため、満足のいく性行為が難しく、パートナーとの関係にも影響を与える可能性があります。性行為自体を楽しめなくなることもあります。

勃起の維持ができない

勃起の持続時間は個人差がありますが、性行為を最後まで行えない場合は、勃起の維持ができていないと考えられます。満足な性行為のためには、ある程度の時間、勃起状態を維持する必要があります。

勃起が持続しないことで、性行為に対するプレッシャーを感じ、EDの悪化につながるケースも少なくありません。

朝立ちしない

器質性EDの場合、朝立ちが消失または減少することがあります。朝立ちは、健康な男性であれば、睡眠中に自然に勃起する現象です。思春期以降の男性であれば、通常は一晩に数回、自然勃起が起こります。この現象は、レム睡眠中に副交感神経が優位になり、陰茎への血流が増加することで起こる生理現象です。

朝立ちの有無は、勃起機能の健康状態を知るうえで重要な指標です。朝の勃起の頻度は変化しやすく、個人差があります。気になる場合は医師に相談しましょう。加齢とともに朝立ちの頻度や硬さが低下することはありますが、全くなくなることは通常ありません。

性的興奮を感じても勃起しない

性的興奮を感じているにもかかわらず、勃起しない状態になります。性行為への意欲もあるにもかかわらず、身体が反応しないため、精神的な苦痛を伴う場合もあります。パートナーの裸を見ても勃起しない、性的な動画を見ても勃起しない、といった状態です。

性的興奮を感じているにもかかわらず勃起しない場合は、身体的な原因だけでなく、精神的な原因も考えられます。性的興奮は脳からの指令で引き起こされるため、神経系や血管系の異常が勃起を阻害している可能性があります。また、特定の相手に対してのみ勃起しない「妻だけED」は、多くの夫婦が直面する問題の一つです。

より詳しく、妻だけEDの特徴や原因、改善策について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
>>妻だけEDの特徴は?勃起しない原因と治し方、夫婦で取り組むべき対策

器質性EDの原因

器質性EDの原因は以下のとおりです。

  • 加齢
  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 生活習慣病(高脂血症、肥満など)

加齢

加齢は、器質性EDの最も一般的な原因の一つです。年齢を重ねるにつれて、血管は血管内皮細胞の機能が低下することで、徐々に弾力性を失い、陰茎への血流も次第に減少してきます。また、男性ホルモンであるテストステロンの分泌も加齢とともに減少します。

テストステロンの分泌量が低下すると、勃起しにくくなったり、勃起の硬さが弱くなったりします。テストステロン低下は自然な老化現象ですが、40代頃から徐々に低下し、70代では20代の半分程度まで減少すると言われています。

Nature Reviews Disease Primers に掲載された Yafi et al. (2016)の論文によると、勃起不全には神経因性、血管因性、医原性など内分泌系以外の経路だけでなく、男性ホルモンなどの内分泌系のさまざまな経路が関与していると考えられています。

糖尿病

糖尿病による血管障害や神経障害もEDの原因です。糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度が高くなる病気です。高血糖の状態が続くと、血管の内壁が傷つき、動脈硬化を引き起こしやすくなります。動脈硬化は、血管を硬く狭くしてしまうため、陰茎への血流が阻害され、勃起障害につながるのです。

また、高血糖は神経にもダメージを与え、勃起を促す神経伝達を阻害する可能性があります。

高血圧

高血圧は、血管に大きな負担をかけるため、動脈硬化のリスクを高めます。動脈硬化が進行すると、陰茎への血流がさらに滞り、勃起しにくくなる傾向があります。高血圧は自覚症状がない場合も多いので、気づかないうちに血管がダメージを受けている可能性があります。ご自身の血圧を把握し、適切な管理をすることが重要です。

生活習慣病(高脂血症、肥満など)

高脂血症や肥満も、動脈硬化を促進する大きな要因です。高脂血症は、血液中のコレステロールや中性脂肪が多すぎる状態です。血管の内側にコレステロールなどが蓄積しやすくなり、血流を悪化させます。肥満も、体に過剰な負担をかけ、血管を傷つけやすくします。生活習慣病は、食生活の改善や適度な運動によって予防・改善できます。

器質性EDの検査方法

EDの原因を特定し、適切な治療法を選択するためには、専門クリニックでの検査が不可欠です。器質性EDの検査方法として、以下の内容を解説します。

  • 問診で聞かれること
  • 診察でチェックされるポイント
  • 血液検査でわかること
  • 陰茎の血流検査:種類と目的
  • 専門クリニックでの精密検査

問診で聞かれること

問診では、医師があなたの症状や生活習慣について詳しく聞き取ります。以下の項目について質問されることが多いです。

  • 現在の勃起の状態
    どの程度勃起しますか? 勃起状態はどのくらい持続しますか? 勃起の硬さはどの程度ですか?
  • 症状が現れ始めた時期
    いつ頃から勃起しにくくなりましたか? 症状の頻度は?
  • 過去の病気
    これまでに何か大きな病気にかかったことはありますか? 現在治療中の病気はありますか?
  • 服用中の薬
    現在、何か薬を服用していますか?(市販薬やサプリメントも含みます)
  • 生活習慣
    喫煙や飲酒、運動、睡眠などの習慣について教えてください。
  • 心理的な状態
    ストレスや不安を感じていますか? 仕事や家庭環境で何か悩みはありますか?

包み隠さず、できるだけ正確に答えることが重要です。 正確な診断と適切な治療のために、積極的に医師とコミュニケーションをとりましょう。

診察でチェックされるポイント

問診に加えて、医師による診察も行われます。診察では、以下の項目についてチェックされます。

  • 血圧・心拍数の測定
    高血圧や不整脈はEDの危険因子となるため、血圧と心拍数は重要な指標となります。
  • 陰茎の視診・触診
    陰茎のサイズや形状、皮膚の状態、ペニス動脈の脈拍などを確認し、異常の有無を調べます。
  • 睾丸の触診
    睾丸の大きさや硬さなどを確認し、ホルモン産生能力に問題がないかなどを評価します。
  • 神経学的検査
    神経系の異常がEDの原因となっている可能性もあるため、神経反射などを確認する検査が行われることもあります。

診察は、EDの原因を特定するための重要な情報となります。

血液検査でわかること

血液検査では、EDの原因となる可能性のあるさまざまな病気を調べます。血液検査でわかることは以下の項目です。

  • 男性ホルモン(テストステロン)値
    テストステロンは勃起機能に重要な役割を果たすホルモンです。テストステロンの低下はEDの原因となる可能性があります。
  • 血糖値
    糖尿病はEDの主要な原因の一つです。血糖値を測定することで、糖尿病の有無やコントロール状態を確認します。
  • コレステロール値
    高コレステロール血症は動脈硬化を促進し、EDのリスクを高めます。コレステロール値を測定することで、動脈硬化のリスクを評価します。
  • 肝機能・腎機能
    肝機能や腎機能の低下もEDに影響を与える可能性があります。これらの臓器の機能を評価することで、EDの原因を探ります。
  • 炎症反応
    体内で炎症が起きている場合、EDのリスクが高まる可能性があります。炎症反応を調べることで、隠れた炎症の有無を確認します。

血液検査の結果は、EDの原因を特定し、適切な治療法を選択するために重要です。

陰茎の血流検査

陰茎の血流検査は、陰茎への血流の状態を詳しく調べる検査です。以下の2種類の検査方法があります。

  • 陰茎ドップラー超音波検査
    超音波を使って陰茎の動脈の血流速度や血管の抵抗などを測定します。血管が狭窄していたり、血流が滞っていたりする場合は、血管性EDの可能性が高くなります。痛みがなく、身体への負担が少ない検査です。
  • 陰茎海綿体注射テスト
    血管拡張作用のある薬剤を陰茎海綿体に注射し、勃起の状態を確認する検査です。注射によって勃起すれば、血管性のEDである可能性が高いと判断できます。

検査することで、血管性EDかどうかを判断できます。血管性EDは、動脈硬化や糖尿病などが原因で陰茎への血流が不足することで起こります。

専門クリニックでの精密検査

専門クリニックでは、以下の精密検査を受けることができます。

  • 陰茎動脈造影
    造影剤を用いて陰茎の動脈の状態を詳しく調べる検査です。血管の狭窄や閉塞の程度を正確に把握できます。
  • 神経伝導速度検査
    陰茎への神経伝達機能を調べる検査です。神経障害がEDの原因となっている場合に有効な検査です。
  • 陰茎バイオプシー
    陰茎の組織を採取して顕微鏡で調べる検査です。陰茎の組織に異常がないかを確認することができます。

専門クリニックでは、検査結果を総合的に判断し、患者さん一人ひとりに最適な治療法を提案します。

器質性EDの治療法

器質性EDの治療法として、以下の内容を解説します。

  • ED治療薬
  • 生活習慣の改善
  • 心理的要因が合併している場合の治療法
  • 外科的治療(陰茎プロステーシスなど)
  • 各治療法の費用相場

ご自身に合う方法があるか、費用相場も含めて確認していきましょう。

ED治療薬

ED治療薬は、血管を広げて陰茎への血流を良くすることで勃起をサポートする薬です。バイアグラやレビトラ、シアリスなどが代表的です。それぞれ効果の持続時間や副作用の出方に違いがあるので、医師と相談して最適な薬を選ぶことが重要です。

バイアグラは効果の持続時間が約4時間ですが、シアリスは約36時間と長時間効果が持続します。副作用についても理解しておく必要があります。主な副作用は、頭痛やめまい、動悸、吐き気、顔のほてりなどがあります。副作用は一時的なものが多いですが、もし気になる症状があれば、すぐに医師に相談してください。

副作用の発現の程度や種類には個人差があります。レビトラはバイアグラと比較して、副作用として鼻づまりが出やすい傾向にあります。シアリスは背中の痛みや筋肉痛といった副作用が現れる場合があります。

ED治療薬は、血管障害が原因でEDになっている場合に有効です。神経障害やホルモンバランスの乱れが原因の場合は、効果が期待できないこともあります。

生活習慣の改善

生活習慣の見直しは、EDのリスク低減に寄与する可能性があります。バランスの良い食事や適度な運動、十分な睡眠を心がけることで、EDの症状を改善できる可能性があります。喫煙は血管を収縮させるため、ED悪化の大きな原因ですので、禁煙が推奨されます。

食生活では、野菜や果物を積極的に摂り、脂肪分の多い食事は控えましょう。適度な運動は、血行を促進し、ストレス軽減にもつながります。睡眠不足はホルモンバランスを乱すため、質の高い睡眠を確保することも重要です。Nature Reviews Disease Primers に掲載された Yafi et al. (2016)の論文にもありますが、EDはメタボリックシンドロームや心血管疾患と関連しています。

生活習慣の改善はEDの治療だけでなく、全身の健康維持にもつながります。

心理的要因が合併している場合の治療法

EDには、身体的な原因の器質性EDだけでなく、心理的な要因が原因の心因性EDが合併している場合もあります。性行為に対する不安やパートナーとの関係の悩みなどがEDの症状を悪化させることがあります。医師との相談・診察や認知行動療法などを通して、心理的な問題に対処していくことが重要です。

心理的要因によるEDは、身体的な原因とは異なり、ストレスや精神的な負担が大きく関係しています。そのため、単にED治療薬を使用するだけでは十分な改善が得られない場合もあります。より詳しく、心因性EDの原因や症状、具体的な対処法について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
>>心因性EDの原因とは?主な症状や対処法、治療法を解説

外科的治療(陰茎プロステーシスなど)

ED治療薬や生活習慣の改善で効果が見られない場合は、外科的治療を検討することもあります。陰茎プロステーシスは、EDの治療に用いられる医療用インプラントです。陰茎の中に人工的なデバイスを挿入し、自力での勃起が困難な場合に勃起を補助・再現するための治療法です。

他の治療法で効果がなかった場合にのみ行われ、医師との相談が必要です。

各治療法の費用相場

ED治療の費用は、治療法や医療機関によって異なります。ED治療薬は、薬の種類や処方量によって費用が変わり、1錠あたり数百円〜数千円程度が相場です。生活習慣指導や相談・診察は、保険適用される場合とされない場合があります。費用は医療機関によって異なりますので、事前に確認することをおすすめします。

陰茎プロステーシスは、約50〜60万円の費用がかかる場合があります。治療を受ける前に、医療機関に費用を確認しておきましょう。

ED治療の費用や価格相場について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
>>ED治療の費用は?治療薬や手術の価格相場を比較

まとめ

EDは決して恥ずかしい病気ではありません。さまざまな原因で引き起こされる可能性があり、適切な検査と治療によって改善が期待できる場合があります。ED治療薬や生活習慣の改善、心理療法、外科的治療など、さまざまな治療法があります。

ご自身の症状や原因に合った治療法を選択することが重要です。まずは一人で悩まず、専門医に相談することをおすすめします。

MSクリニック横浜は男性の悩みに特化した専門クリニックです。当院では、患者さんのプライバシーに最大限配慮しながら、EDへの相談から治療まで、一人ひとりに合わせたサポートを提供しています。相談は無料ですので、ぜひ一度ご相談ください。
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参考文献

 

ページ監修:総院長「葉山芳貴」紹介

葉山芳貴

総院長、医学博士 葉山芳貴

経歴

平成14年
聖マリアンナ医科大学 卒業
平成20年
大阪医科大学 大学院 卒業
平成22年
大手美容形成外科 院長 就任
平成27年
メンズサポートクリニック開設
平成28年
メンズサポートクリニック新宿 院長就任
平成28年
医療法人清佑会 理事長 就任

資格

医師免許(医籍登録番号:453182)

保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)