年齢による朝立ちの変化と特徴!健康状態を示すサインと対策法
- 更新日:2025.04.21
- 投稿日:2025.04.21

毎朝、目を覚ますとともに「ある変化」に気づかれていますか?それは、男性にとって健康のバロメーターとも言える「朝立ち」です。20代前半では約3割が「ほぼ毎日」経験する現象ですが、年齢とともに大きく変化していきます。
朝立ちは単なる生理現象ではなく、健康状態を反映している可能性があります。睡眠やストレス、加齢などの要因が複雑に絡み合い、回数や強さに影響を与えていると考えられています。この記事では、年齢による朝立ちの変化やメカニズム、健康との関連性だけでなく、専門クリニックでの診察や検査、治療法についても詳しく解説しています。
最近「何かが違う」と感じている方は、ぜひ読み進めてみてください。あなたの不安を解消し、健康的な毎日を送るためのヒントが見つかります。
MSクリニック横浜では「最近、朝立ちが少なくなった」「以前より元気がない」と感じている方に対し、年齢や生活習慣の変化をふまえた丁寧な診断とサポートを行っています。朝立ちの変化は、体からの大切なサインかもしれません。気になることがあれば、専門医のアドバイスを受けて、健康と自信を取り戻す第一歩を踏み出しましょう。
朝立ちのメカニズム
朝立ちは、医学的には「夜間陰茎勃起(NPT)」と呼ばれ、健康な男性であれば睡眠中に数回自然に起こる現象です。朝立ちのメカニズムや年齢による変化を理解すると、自身の健康状態を把握するうえで役立ちます。
朝立ちは、主にレム睡眠中に起こります。レム睡眠中は脳が活発に活動している一方、体はリラックスした状態にあり、副交感神経が優位になります。副交感神経が優位になると、血管が拡張し陰茎への血流が増加し勃起が起こります。
男性ホルモンであるテストステロンも朝立ちに影響を与えており、分泌が活発な若い世代では、朝立ちの頻度や強度も高くなる傾向があります。
年齢ごとの朝立ちの変化
各年代の朝立ちの変化について、年代毎の特徴を解説します。
- 20~30代の朝立ち:頻度と勃起の強さ
- 40~50代の朝立ち:変化の兆候と原因
- 60代以降の朝立ち:加齢による変化への理解
年齢を重ねると朝立ちの頻度が低下し、勃起の硬さも弱くなる傾向があります。完全に朝立ちがなくなると、健康問題の可能性があるため、ご自身の体の変化に気を配る必要があります。
20~30代の朝立ち:頻度と勃起の強さ
20~30代は、男性ホルモンの分泌がピークを迎える時期で、多くの場合朝立ちが活発に見られます。朝立ちは、陰茎の健康状態との関連が指摘されており、性機能の一つの指標と考えられています。
多くの男性が2~3日に1回以上の頻度で朝立ちを経験し、勃起の強さも十分である場合が多いです。中には「ほぼ毎日」朝立ちするという方もいらっしゃいます。
40~50代の朝立ち:変化の兆候と原因
40~50代になると、男性ホルモンの分泌量が徐々に減少していくため、朝立ちの頻度や強さに変化が現れ始めます。変化の内容としては、朝立ちの回数が減ったり、勃起の硬さが以前より弱くなったりしたと感じます。以下の4つが、朝立ちの減少に影響を与えている可能性があります。
- 自然な加齢現象
- 生活習慣の乱れ
- 過度のストレス
- 睡眠の質の低下
40~50代では週に1~2回程度の朝立ちが一般的とされており、20~30代に比べて頻度が減少します。加齢によるホルモン変化や生活環境の影響については、年齢別の性欲減退に関する情報も参考になります。以下の記事では、それぞれの年代に多い原因や改善アプローチを詳しく解説しています。
>>40代男性の性欲減退の原因とは?心身の変化と改善アプローチ
>>50代男性の性欲減退の原因を解説!ホルモン低下と生活習慣の影響
60代以降の朝立ち:加齢による変化への理解
60代以降は、加齢に伴い朝立ちの頻度はさらに低下し、勃起の硬さも弱くなる傾向が強まります。自然な加齢現象ではありますが、朝立ちが全くなくなってしまう場合には、勃起不全(ED)やその他の健康問題を示唆している可能性も考えられます。
性欲の減退や朝立ちの変化にはさまざまな要因が関係しており、根本的な原因を知ることが改善の第一歩です。以下の記事では、男性の性欲低下に関わる主な原因とその対策を、医師の視点からわかりやすく紹介しています。
>>男性の性欲減退の原因と対策!経験豊富な医師が教える回復のための鍵
朝立ちと健康状態の関連性
朝立ちは、男性の健康状態を把握するうえで重要な手がかりです。単に性的な機能だけでなく、全身の健康状態を反映している場合があるため、生活習慣病などの早期発見・早期治療につながる可能性があります。朝立ちと健康状態の関連性について、以下の4つを解説します。
- ストレスや睡眠不足の影響
- 加齢による変化
- 勃起不全(ED)との関連性
- 糖尿病や高血圧などの生活習慣病との関連性
ストレスや睡眠不足の影響
勃起は副交感神経が優位なときに起こりやすいため、ストレスや睡眠不足により交感神経が優位な状態が続くと、朝立ちしにくくなる場合があります。ストレスが多い日が続いた後などは、朝立ちの頻度や硬さに変化がないか、注意深く観察してみましょう。
慢性的なストレスと自律神経の乱れの改善に対しては、日常生活に以下の方法を取り入れてみてください。
状態 |
改善方法 |
慢性的なストレス |
趣味やリラックスできる活動を見つける、就寝前にカフェインを摂取しない、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かるなど、ストレス軽減につながる工夫を日常生活に取り入れる。 |
自律神経の乱れ |
睡眠時間を確保し、起床時には朝日を浴びて体内時計をリセットさせる。 |
加齢による変化
年齢を重ねると、男性ホルモンであるテストステロンの分泌量が徐々に減少していきます。テストステロンは、勃起機能に重要な役割を果たしているため、分泌量の減少は朝立ちの頻度や硬さに影響を与える可能性があります。
20~30代前半はテストステロンの分泌が活発な時期であり、朝立ちが頻繁な方が多いです。40代以降になると徐々に分泌量が減少し、朝立ちの頻度も低下していく傾向があります。60代以降では、朝立ちがほとんど、あるいは全くなくなる方も珍しくありません。
加齢による変化は自然な現象ではありますが、中には病気のサインである場合もあります。急激な変化や気になる症状がある方は、年齢のせいだと決めつけずに、専門クリニックを受診し相談することをおすすめします。
2024年に発表された研究では、加齢による勃起機能の低下メカニズムについて新たな知見が報告されています。研究者らは加齢によって陰茎海綿体内の線維芽細胞数が減少し、これが陰茎血流の低下につながることを発見しました。
この研究結果は、加齢に伴う朝立ちの減少が単にホルモン低下だけでなく、陰茎組織の構造的変化によっても引き起こされる可能性を示唆しています。
勃起不全(ED)との関連性
朝立ちがない、あるいは弱くなったと感じている方は、勃起不全(ED)も考慮する必要があります。EDとは、満足のいく性行為を行うために必要な勃起を達成または維持できない状態を指し、多くの男性が悩まされている症状です。
EDの原因として、以下の問題が挙げられます。
- 血管の問題
- 神経の問題
- ホルモンバランスの乱れ
- テストステロンの減少
- ストレスや不安
- 生活習慣病の罹患
朝立ちの有無は、EDの診断や原因究明の手がかりとなります。心理的な要因でEDになっていると、朝立ちには影響が出ない場合が多いです。血管や神経などに問題があると、朝立ちにも影響が現れる傾向があります。
ご自身の状態を正確に把握するためには、朝立ちの状態だけでなく日中や性行為時の勃起状態も合わせて確かめる必要があります。
糖尿病や高血圧などの生活習慣病との関連性
糖尿病や高血圧などの生活習慣病は、血管を傷つけ、動脈硬化を引き起こす可能性があります。
糖尿病は、神経障害を引き起こすこともあり、勃起機能に悪影響を与える可能性があります。高血糖状態が続くと、血管や神経が損傷して血流が悪くなったり、神経伝達がうまくいかなくなったりします。そのため、勃起機能が低下しやすくなります。
動脈硬化とは、血管が硬く狭くなることで、血流が悪くなる状態です。陰茎の勃起は、陰茎海綿体と呼ばれる組織への血流によって起こるため、動脈硬化が進行すると、朝立ちしにくくなることがあります。
生活習慣病の予防・改善のためには、以下の点を心がけることが重要です。
- バランスの良い食事を摂る
- 適度な運動を継続する
- 禁煙を心がける
- 過度な飲酒を控える
日々の生活習慣を改善することで、朝立ちの改善だけでなく、全身の健康維持にもつながります。
自分でできる朝立ちの改善策4選
朝立ちの頻度や硬さが変化したと感じたら、生活習慣を見直すと改善できる可能性があります。生活習慣を振り返りながら、以下の4つのポイントを参考に、より健康的な生活を目指しましょう。
- 規則正しい生活習慣
- 食生活の改善
- 適度な運動
- ストレスマネジメント
規則正しい生活習慣
体内時計のリズムを整えることは、男性ホルモンの分泌、朝立ちの改善につながります。規則正しい生活は、朝立ちだけでなく、心身の健康全体を支える基盤となるため、以下の改善策に積極的に取り組みましょう。
影響 |
改善対策の一例 |
|
睡眠時間の確保 |
睡眠不足は、成長ホルモンやテストステロンなどのホルモン分泌に悪影響を及ぼし、朝立ちの頻度や硬さを低下させる可能性があります。 |
・寝室の環境を整える |
朝食を食べる |
エネルギー源がなく、体の本来の機能を発揮できない場合があります。 |
・和食の場合:ご飯や味噌汁、焼き魚など |
睡眠に関しては、7時間程度の睡眠時間を確保するようにしましょう。朝食は1日の活動のエネルギー源となったり、体内時計をリセットしたりし、体の機能を正常に保つ役割を果たします。
食生活の改善
食生活の改善は、朝立ちの改善だけでなく、生活習慣病の予防にもつながります。バランスの良い食事は健康な体づくりに欠かせないため、以下の点を意識しましょう。
- 食材をバランス良く摂る:肉、魚、野菜、果物など
- 男性ホルモンを生成する栄養を摂る:亜鉛、牡蠣、牛肉、ナッツ類
- 血行促進効果のある栄養を摂る:ビタミンE、アーモンド、ほうれん草、アボカド
意識して食事に取り入れることで、朝立ちの改善につながる可能性があります。偏った食事や過度なダイエットは、栄養不足を引き起こし、ホルモンバランスを崩す原因につながります。
体内の水分が不足すると、血液の粘性が高まり、全身の血流に影響を与える可能性があります。血液の粘度が高まると、血流が悪くなり朝立ちに影響しやすくなります。水分補給は以下の点に注意して摂取しましょう。
- のどが乾く前に、こまめに水分補給をする
- 1日1.5~2リットル程度の水分を摂取する
- カフェインには利尿作用があるため、水や麦茶などを積極的に飲む
適度な運動
適度な運動は血行を促進し、男性ホルモンの分泌を促す効果やストレス解消にも効果的です。運動不足を感じている方は、日常生活に運動を取り入れる工夫をしてみましょう。有酸素運動と筋力トレーニングの効果とおすすめの運動は以下のとおりです。
効果 |
おすすめの運動 |
|
有酸素運動 |
心肺機能を高めて血行を促進し、全身の健康維持に役立ちます。 |
・ウォーキング |
筋力トレーニング |
下半身の筋力トレーニングは、骨盤周りの筋肉を鍛え、血流の改善に役立つ場合があります。 |
・スクワット |
激しい運動はかえってストレスホルモンの分泌を増加させる可能性があるため、ご自身の体力に合わせた無理のない範囲で行いましょう。有酸素運動は週に数回、30分程度を継続的に行うことをおすすめします。
ストレスマネジメント
過剰なストレスは、自律神経のバランスを崩し血管を収縮させ、朝立ちに悪影響を及ぼす可能性があります。ストレスを上手に管理し、心身のリラックスを心がけることは重要です。
好きな音楽を聴いたり、読書をしたり、趣味に没頭する時間は、ストレス解消に効果的です。ストレスから解放され、心身のリフレッシュにつながります。十分な睡眠は、ストレスホルモンの分泌を抑制するため、ストレス軽減につながります。日頃から睡眠時間の確保を心がけましょう。
ストレスが解消されない場合は、家族や友人、専門機関への相談も大切です。信頼できる人に相談し精神的な負担が軽くなると、ストレスを管理しやすくなります。
特に、心の問題が関係している「心因性ED」の可能性がある場合には、心理的要因にフォーカスした対処が必要です。以下の記事では、心因性EDの原因や特徴、具体的な治療法について詳しく解説しています。
>>心因性EDの原因とは?主な症状や対処法、治療法を解説
専門クリニックへの相談
ご自身で判断するのではなく、男性専門クリニックに相談することで、不安を解消し、適切な対応策を見つけられます。変化を軽視せず、専門家の視点から原因を特定し、適切なアドバイスを受けましょう。専門クリニックでの診察や検査、治療の選択肢について解説します。
専門クリニックでの診察と検査
男性専門クリニックでは、プライバシーに配慮した環境で、悩みに寄り添いながら丁寧な診察と検査を行います。問診では、以下の内容について詳しく聞かれます。
- 現在の症状(朝立ちの頻度や強さ、勃起の状態など)
- 生活習慣(睡眠、食事、運動、喫煙、飲酒など)
- 既往歴
- 服用中の薬
問診を通して状態を総合的に把握し、検査の必要性を判断します。検査項目は、患者さんの状態に合わせて決定されますが、一般的には以下の検査が行われます。
- 診察:血圧や脈拍、陰茎の形状などを確認する
- 血液検査:男性ホルモン(テストステロン)の値を測定する
- 尿検査:糖尿病や腎臓の機能などを評価する
- 勃起機能検査:必要に応じて陰茎の血流状態などを評価する
- 超音波検査(エコー検査):陰茎の血管を画像で確認し、動脈硬化の程度や血流の状態を評価する
血液検査で基準値を大きく下回っている場合、男性更年期障害の可能性も考慮し、生活習慣病の有無も確認します。勃起の機能検査では、夜間陰茎勃起(NPT)検査などを行う場合もあります。検査結果を総合的に判断し、朝立ちの変化の原因を特定します。原因が特定できれば、適切な治療方針が決定できます。
治療の選択肢:ホルモン補充療法・ED治療薬
検査の結果、男性ホルモン(テストステロン)の分泌量が低下している場合は、ホルモン補充療法を検討します。
ホルモン補充療法は、テストステロンを外から補充することで、朝立ちの頻度改善や、性欲増加、疲労感や抑うつ気分の改善も期待ができます。投与方法は、注射もしくは経皮吸収剤(塗り薬や貼り薬)があります。
勃起不全(ED)と診断された場合は、ED治療薬による治療が選択肢です。ED治療薬は、陰茎の血流に作用し勃起を促す薬剤です。内服薬が一般的で、血管拡張作用により陰茎海綿体への血流を増やし、勃起をサポートする効果が期待できます。
患者さんの状態に合わせて、ホルモン補充療法とED治療薬を併用する場合もあります。治療開始後も定期的な診察を行い、治療効果や副作用の有無を確認しながら、薬の種類や量を調整していきます。
治療を検討する際に気になるのが「費用面」ではないでしょうか。ED治療にかかる薬や処置ごとの費用相場について、以下の記事で詳しく解説しています。初診料や薬代の目安、保険適用の有無など、気になるポイントをチェックしておきましょう。
>>ED治療の費用は?治療薬や手術の価格相場を比較
まとめ
年齢とともに変化する朝立ちについて、メカニズムから健康状態との関連性、改善策までをご紹介しました。朝立ちは男性ホルモンの分泌や健康状態を反映する重要なサインです。
20〜30代は活発な朝立ちが見られますが、40代以降は男性ホルモンの分泌が減少するため、朝立ちの頻度や硬さが変化し始めます。朝立ちの変化は加齢による自然な現象ですが、勃起不全(ED)や生活習慣病が関係している可能性もあります。
気になる変化があれば、年齢のせいと決めつけず、専門クリニックへの相談をおすすめします。ストレスや睡眠不足を感じている方は、生活習慣の見直しから始めてみましょう。以下の朝立ちの改善策は、健康な体づくりにもつながります。
- 規則正しい生活
- バランスの良い食事
- 適度な運動
- ストレスマネジメント
専門クリニックでは、状態に合わせた適切なアドバイスや治療(ホルモン補充療法、ED治療薬など)を提供しています。一人で悩まず、専門家のサポートを受けて、より健康で活力ある毎日を目指しましょう。
朝立ちの減少が気になる方に向けて、ホルモンバランスや生活習慣の影響を詳しく解説した記事もご用意しています。朝立ちが減る本当の理由と、すぐに始められる対処法について知りたい方は、以下をご覧ください。
>>朝立ちしない原因と対処法!ホルモンバランスと生活習慣の影響
参考文献
Eduardo Linck Guimaraes, David Oliveira Dias, Wing Fung Hau, Anais Julien, Daniel Holl, Maria Garcia-Collado, Soniya Savant, Evelina Vågesjö, Mia Phillipson, Lars Jakobsson, Christian Göritz. Corpora cavernosa fibroblasts mediate penile erection. Science, 2024, 383, 6683, p.eade8064.
ページ監修:総院長「葉山芳貴」紹介

総院長、医学博士 葉山芳貴
経歴
- 平成14年
- 聖マリアンナ医科大学 卒業
- 平成20年
- 大阪医科大学 大学院 卒業
- 平成22年
- 大手美容形成外科 院長 就任
- 平成27年
- メンズサポートクリニック開設
- 平成28年
- メンズサポートクリニック新宿 院長就任
- 平成28年
- 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)