インポテンスとEDの違いを解説!症状や治療法の特徴
- 更新日:2025.03.19
- 投稿日:2025.03.19

男性の性機能の衰えである「インポテンス」と「ED(勃起不全)」は異なる症状です。 加齢や生活習慣病、ストレス、薬の副作用など、さまざまな原因が考えられ、症状や治療法も多岐にわたります。
本記事では、インポテンスとEDの違いを明確にし、原因や症状、治療法などを解説します。適切な知識を身につけて不安を解消し、より良い未来へとつながる第一歩を踏み出しましょう。
MSクリニック横浜は男性の悩みに特化した専門クリニックです。当院では、患者さんのプライバシーに最大限配慮しながら、EDへの相談から治療まで、一人ひとりに合わせたサポートを提供しています。相談は無料ですので、ぜひ一度ご相談ください。
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インポテンスとED(勃起不全)の違いとは?
インポテンスとED(勃起不全)の違いは症状の範囲にあります。以下の項目について内容を解説します。
- インポテンスの定義と症状
- EDの定義と症状
- インポテンスとEDの具体的な違い
- 他の性機能障害(早漏・遅漏など)との関係
インポテンスの定義と症状
インポテンスとは、満足のいく性行為に必要な機能全般が、損なわれた状態を指します。性交における一連の流れとして、性欲や勃起、射精、性的快感に至るまで、あらゆる段階での問題を含みます。以下の症状が一般的に挙げられます。
- 性的なことに興味が持てない
- 勃起しない、または勃起が持続しない
- 射精できない、または射精しても満足感がない
EDの定義と症状
EDとは、インポテンスの一部で、勃起機能に限定された問題を指します。満足のいく性行為を行うために十分な勃起が得られない、または維持できない状態と定義されます。EDの症状は、一般的に以下の内容が挙げられます。
- 勃起しない、または勃起しにくい
- 勃起しても硬さが足りない
- 性交中に勃起が持続しない(中折れ)
- 朝立ちがない、または弱くなった
重要なのは、EDは勃起に関する問題に焦点を当てているため、性欲や射精、性的快感に関する問題は含まれない点です。性欲は正常で、射精も問題ないのに勃起機能だけが低下しているというケースも、EDに該当します。
インポテンスとEDの具体的な違い
インポテンスとEDの違いは以下のとおりです。
- インポテンス:性機能に関する問題全般を指す包括的な概念
- ED:勃起機能のみに焦点を当てたインポテンスの一部
性欲減退や射精障害といった症状はインポテンスに含まれますが、EDには含まれません。EDは、あくまで勃起機能のみに限定された問題です。
他の性機能障害(早漏・遅漏など)との関係
インポテンスは、早漏や遅漏といった他の性機能障害と合併して起こる可能性があります。早漏とは、射精のタイミングをコントロールできずに早く射精してしまうことです。遅漏とは、なかなか射精に至らない、または全く射精できないことを指します。
EDに悩む男性の中には、勃起への不安から早漏になってしまうケースがあります。逆に早漏を気にしすぎるあまり、精神的なプレッシャーからEDになってしまうケースも少なくありません。EDと早漏の症状は複雑に絡み合っていることが多いです。気になる症状がある場合は、専門の医師へ相談をしましょう。
インポテンス・EDの主な4つの原因
インポテンス・EDの主な4つの原因について、以下の内容を解説します。
- 加齢による血管の変化とホルモンバランスの乱れ
- 生活習慣病(糖尿病、高血圧など)の影響
- 心理的要因(ストレス、不安、うつ病など)
- 薬の副作用
加齢による血管の変化とホルモンバランスの乱れ
血管は年齢を重ねる度に硬くなり、柔軟性を失っていきます。動脈硬化の進行は、血管の弾力性を低下させ、血液の流れを阻害する要因です。 血液の流れが阻害されると、陰茎への血流が滞り、十分な勃起を得ることが難しくなるのです。
加齢に伴い男性ホルモン(テストステロン)の分泌量も減少します。男性ホルモンは勃起に重要な役割を果たしており、勃起力の低下に直結します。40代を過ぎると男性ホルモンの分泌量は徐々に減少し始め、EDの症状が現れやすくなります。
加齢による変化は自然な現象ですが、生活習慣の改善によって予防や症状の緩和が期待できる場合があります。
生活習慣病の影響
糖尿病や高血圧などの生活習慣病は、血管に深刻なダメージを与え、EDのリスクを高めます。高血糖の状態が続く糖尿病は、血管の内壁を傷つけ、動脈硬化を加速させます。血管が硬く脆くなると、血流が悪化し、陰茎への血液供給が不足するのです。
高血圧も血管に大きな負担をかけ、動脈硬化を進行させる危険因子です。常に高い血圧にさらされている血管は、傷つきやすく、弾力性を失いやすくなります。陰茎への血流が阻害され、EDの症状が現れる可能性が高まります。
生活習慣病を予防・管理することで、EDのリスクを低減できる可能性があります。以下の生活習慣の見直しが大切です。
- 食生活の改善
- 適度な運動
- 禁煙
- 定期的な健康診断
医師の指示に従い適切な治療と自己管理を続けることで、健康な状態を維持できる可能性があります。
心理的要因(ストレスや不安、うつ病など)
過剰なストレスや不安は、心身にさまざまな悪影響を及ぼし、EDの原因となることもあります。強いストレスや不安は、自律神経のバランスを崩し、勃起機能を司る神経系に悪影響を及ぼす可能性があります。
うつ病もEDと密接な関係があります。うつ病になると、性欲の低下やEDの症状が現れやすくなるため、注意が必要です。脳内の神経伝達物質のバランスが崩れ、勃起機能に影響を与えるためです。
過剰なストレスや不安、うつ病の症状を感じている場合は、一人で抱え込まず、医師に相談することが大切です。心療内科や精神科を受診し、薬物療法などの適切な治療を受けましょう。
心理的要因によるEDは、身体的な原因とは異なり、ストレスや精神的な負担が大きく関係しています。そのため、単にED治療薬を使用するだけでは十分な改善が得られない場合もあります。より詳しく、心因性EDの原因や症状、具体的な対処法について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
>>心因性EDの原因とは?主な症状や対処法、治療法を解説
薬の副作用
服用する薬の中には、EDの副作用を引き起こす可能性のあるものがあります。高血圧の薬や抗うつ薬、睡眠薬などが代表的です。本来の目的である病気の治療には効果的ですが、一方で勃起機能に影響を与える可能性があることを理解しておく必要があります。
薬の服用後にEDの症状が現れた場合は、自己判断で薬の服用を中断せず、医師に相談してください。医師は服用量を調整したり、別の薬に変更したりすることで、EDの症状を改善できる可能性があります。
ご自身の健康状態や服用している薬について、医師と積極的にコミュニケーションをとりましょう。適切な治療と管理を行うことが、健康な生活を送るうえで重要です。しかし、薬の副作用が気になる方や、できるだけ薬に頼らずにEDを改善したいと考えている方も多いです。生活習慣の見直しや自然なアプローチによって、勃起機能の回復を目指せる可能性もあります。
薬を使わずにEDを改善する方法について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
>>薬に頼らないEDの治し方を解説!自力で改善するための食事・運動法について
インポテンス・EDの主な治療法3つ
インポテンス・EDの主な治療法3つについて、以下の項目を解説します。
- ED治療薬を使った薬物療法
- 自己注射療法
- 陰圧式勃起補助具(ポンプ治療)などの機械的治療法
ED治療薬を使った薬物療法
ED治療薬は、血管を広げて陰茎への血流を増やし、勃起をサポートする薬です。代表的なED治療薬は、以下のとおりです。(括弧内は一般名)
- バイアグラ(シルデナフィル)
- レビトラ(バルデナフィル)
- シアリス(タダラフィル)
※レビトラは日本での販売を終了しており、ジェネリック医薬品の「バルデナフィル錠」が製薬会社各社より販売されています。
上記の薬はPDE5阻害薬と呼ばれ、血管を拡張させる作用を持つcGMPという物質の分解を抑えることで効果を発揮します。
PDE5阻害薬は、cGMPを分解する「PDE5」という酵素の働きを抑えることで、cGMPの量を保ち、陰茎海綿体平滑筋の弛緩を促進して血管を拡張させる効果があります。血流が良くなり、勃起をサポートします。cGMPは、細胞内で信号を伝える役割を持つ物質で、体のさまざまな臓器の働きを調整しています。
医師の判断のもと、適切な使用方法や用途が決められます。服用方法は、性行為の数十分〜1時間前に服用するのが一般的です。それぞれの治療薬の効果の持続時間は、以下の表のとおりです。
薬剤名 |
効果の持続時間 |
特徴 |
バイアグラ(シルデナフィル) |
約4時間 |
比較的早く効果が現れる傾向があります。 |
レビトラ(バルデナフィル) |
約5時間 |
食事の影響を受けにくい傾向があります。 |
シアリス(タダラフィル) |
約36時間 |
効果の持続時間が長く「週末薬」とも呼ばれます。 |
副作用として、動悸や頭痛、顔のほてり、鼻づまり、目の充血などが挙げられます。多くの場合一時的なものであり、重篤な副作用はまれです。異常を感じた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
MSクリニック横浜ではバイアグラやシアリスなどのED治療薬を処方しています。詳しくは以下のページをご覧ください。
>>MSクリニック横浜のED治療薬処方のポイント
自己注射療法
自己注射療法は、勃起を促す薬剤を陰茎の海綿体に直接注射する治療法です。ED治療薬が効果を示しにくい場合や、他の治療法が適さない場合に検討されます。用いられる薬剤には、パパベリンやフェントラミン、アルプロスタジルなどがあります。効果は注射後5~20分程度で現れ、30分~1時間程度持続します。
副作用として、注射部位の痛みや腫れ、持続勃起症などがあるため、注意が必要です。医師の指導のもと、正しい方法で注射を行うことが重要です。副作用が気になる場合は、医師に相談するようにしてください。
自己注射療法は、ED治療の選択肢の一つですが、費用や治療の継続性についても考慮する必要があります。治療薬や手術など、他のED治療と比較することで、自分に合った方法を見つけることができます。ED治療の費用や価格相場について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
>>ED治療の費用は?治療薬や手術の価格相場を比較
陰圧式勃起補助具(ポンプ治療)などの機械的治療法
陰圧式勃起補助具(ポンプ治療)は、陰茎に筒を装着し、ポンプで陰茎内の空気を抜くことで陰茎に血液を集めて勃起を促す治療法です。薬物療法や自己注射療法が適さない場合に有効な選択肢となります。勃起後、陰茎の根元にリングを装着することで勃起状態を維持します。
厚生労働省より医療機器の認可を受けた補助具は比較的安全で副作用も少ないですが、医師の指示のもと、リングの装着時間を守り、血流を阻害しないように注意が必要です。装着時間が長すぎると、陰茎への血流が制限され、組織へのダメージにつながる可能性があります。使用中は多少の違和感や痛みを伴う場合もあります。
使用中に違和感や痛みがあった場合は、使用を中止し、医師に相談してください。
まとめ
インポテンスは性機能全般の低下を指し、EDは勃起機能の低下に焦点を当てたインポテンスの一部です。EDの原因は加齢や生活習慣病、心理的要因、薬の副作用などさまざまです。治療法にはED治療薬や自己注射、陰圧式勃起補助具などがあります。
自分に合った治療法を見つけるためには、経験豊富な医師に相談することが大切です。一人で悩まず、気軽に相談してください。
MSクリニック横浜では、EDでお悩みの方へ無料相談を実施しています。経験豊富な医師が丁寧にご相談に応じますので、お気軽にご予約ください。
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参考文献
- Arun Samidurai, Lei Xi, Anindita Das, Rakesh C Kukreja. Beyond Erectile Dysfunction: cGMP-Specific Phosphodiesterase 5 Inhibitors for Other Clinical Disorders. Annu Rev Pharmacol Toxicol, 2023, 63, p.585-615.
- Gretchen M Irwin. Erectile Dysfunction. Prim Care, 2019, 46(2), p.249-255.
ページ監修:総院長「葉山芳貴」紹介

総院長、医学博士 葉山芳貴
経歴
- 平成14年
- 聖マリアンナ医科大学 卒業
- 平成20年
- 大阪医科大学 大学院 卒業
- 平成22年
- 大手美容形成外科 院長 就任
- 平成27年
- メンズサポートクリニック開設
- 平成28年
- メンズサポートクリニック新宿 院長就任
- 平成28年
- 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)