【医師監修】フォアダイスとは?原因や症状、治療法を解説
- 更新日:2025.03.01
- 投稿日:2025.03.01

陰茎に小さなブツブツができると、性感染症ではないかと不安になります。ブツブツの正体はフォアダイスの可能性があります。医学的には「真珠様陰茎小丘疹」と呼ばれる症状で、思春期以降の男性によく見られ、小さなイボに似たものが陰茎に現れます。
フォアダイスは良性の皮膚疾患で、性感染症ではなく、他人に感染することはありません。
この記事では、フォアダイスの症状や原因、そして適切な対処法まで詳しく解説します。不安を解消し、正しい知識を身につけていきましょう。フォアダイスでお悩み相談は、当院でも承っています。無料診察にてご相談ください。詳しくは公式サイトをご確認ください。
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フォアダイスとは?
フォアダイスとは医学的には「真珠様陰茎小丘疹」と呼ばれ、陰茎や亀頭冠周辺にできる1~3mm程度の小さなイボに似たものです。フォアダイスについて、以下の内容を解説します。
- フォアダイスの症状
- フォアダイスの原因
- フォアダイスで受診を検討すべきタイミング
- 信頼できるクリニックの選び方
- フォアダイスの診断方法
フォアダイスの症状
フォアダイスの症状は、痛みやかゆみなどの自覚症状がほとんどの場合、ありません。
見た目はニキビやイボに似ていますが、ニキビのように炎症を起こしたり、膿が出たりすることはありません。また、性感染症のように性行為で感染する心配もありません。
具体的な症状をまとめると以下の表のとおりです。
特徴 |
説明 |
大きさ |
1〜3mm程度(米粒より小さいくらい) |
色 |
肌色、黄色っぽい白 |
形状 |
丸い突起物 |
痛み |
ほとんどない |
かゆみ |
ほとんどない |
感染性 |
なし |
これらの特徴に当てはまる場合、フォアダイスの可能性が高いです。
フォアダイスの原因
フォアダイスの正確な原因は、現在の医学でも完全には解明されていません。しかし、皮脂腺の過剰な発達や男性ホルモンの影響、遺伝的要因などが関係していると考えられています。
思春期以降に男性ホルモンの分泌が活発になるため、この時期にフォアダイスが多く見られると考えられています。皮脂腺の拡張は、思春期に活発になる皮脂の分泌増加に関連している可能性があります。
フォアダイスは病気ではなく、体質的なものなので、過度に心配する必要はありません。
フォアダイスで受診を検討すべきタイミング
フォアダイスは良性であり、通常は治療の必要はありません。見た目がどうしても気になる場合や、他の性感染症との区別がつかない場合は、医療機関を受診しましょう。
痛みやかゆみ、炎症などの症状がある場合は、フォアダイス以外の病気の可能性もあるため、早めに受診することが大切です。自己判断で放置せず、専門家の診察を受けることで安心感を得られます。
信頼できるクリニックの選び方
フォアダイスの診察は、泌尿器科や皮膚科、男性専門クリニックで受けることができます。クリニックを選ぶ際には、男性器の疾患に精通した経験豊富な医師が在籍しているか、治療実績が豊富かどうかを確認しましょう。
ホームページなどで治療内容や費用、医師の経歴などを確認し、納得できるクリニックを選びましょう。セカンドオピニオンを求めることも有効です。実際に受診した方の口コミなども参考になります。医師との相性も大切ですので、じっくりと検討することが重要です。
フォアダイスの診断方法
フォアダイスの診断は、主に視診によって行われます。医師が患部を目視で確認し、特徴的な症状からフォアダイスと診断します。経験豊富な医師であれば、ほぼ見た目だけで診断が可能です。
場合によっては、他の病気との鑑別のために、拡大鏡を用いた検査や、ごく稀にですが組織検査を行うこともあります。他の病気との区別が難しい場合は追加の検査が必要になることもあります。
フォアダイスとよく似た症状として「真珠様陰茎小丘疹」というものがあります。原因や治療法について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
>>真珠様陰茎小丘疹とは?性病なの?原因や症状、治療法を解説
フォアダイス治療法
フォアダイスは専門的な治療法で除去することが可能です。フォアダイスの治療法について、以下の内容を解説します。
- レーザー治療
- 電気メスを用いた治療
- 焼灼治療
- 液体窒素による凍結療法
レーザー治療
レーザー治療は、高エネルギーのレーザー光を照射してフォアダイスを蒸散させる治療法です。炭酸ガスレーザーやエルビウムヤグレーザーなど、さまざまな種類のレーザーが使用されます。レーザーの種類によって、治療効果やダウンタイム、費用などが異なるため、医師とよく相談して選択することが重要です。
レーザー治療の最大のメリットは、ピンポイントでフォアダイスを治療できるため、周囲の正常な組織へのダメージが少ないことです。出血も少なく、治癒も比較的早い傾向があります。
治療後のダウンタイムも短く、日常生活への影響も少ないです。レーザー治療は他の治療法と比べて治療回数が少ない場合が多いです。費用は他の治療法より高額になる場合がありますが、短期間で治療を完了したい方、手術跡を最小限に抑えたい方には適しています。
電気メスを用いた治療
電気メスに高周波電流を流してフォアダイスを切除する治療法です。レーザー治療と同様にピンポイントで治療できるため、周囲の組織へのダメージを抑えることができます。
短時間で手術が行え、傷跡が残ることはほとんどありません。比較的安価な治療法であることもメリットの一つです。
焼灼治療
焼灼治療は、電気焼灼器を用いてフォアダイスを焼き切る治療法です。電気メスと同様にピンポイントで治療できますが、周囲の組織へのダメージはレーザーや電気メスよりは大きい傾向にあります。
短時間で手術が行えますが、傷跡はレーザーや電気メスと同程度かやや残りやすい傾向にあります。比較的安価な治療法であることはメリットの一つです。
電気焼灼器は機器の更新の際に電気メスに置き換えられるケースが多く、ホームページ上では「焼灼」記載があっても電気メスを使用しているクリニックがあります。電気メスを用いた治療と電気焼灼器を用いた治療は別物に扱うべきですが、クリニックによっては一括りに扱われているため、ホームページに明記されていない場合はクリニックに問い合わせましょう。
MSクリニックの治療の流れについて詳しく知りたい方は、下記のページをご覧ください。
>>ペニス・亀頭のブツブツ除去治療|MSクリニック横浜
液体窒素による凍結療法
液体窒素による凍結療法は、マイナス196度の液体窒素をフォアダイスに塗布し、凍らせて破壊する治療法です。他の治療法と比べて比較的安価で、施術時間も短いことがメリットです。
凍結療法は、施術中に多少の痛みを伴う場合がありますが、麻酔を使用することで痛みを軽減できます。凍結療法は、フォアダイスを凍結させて破壊するため、治療後に水ぶくれができることや、色素沈着や瘢痕が残る可能性もゼロではありません。
フォアダイスの状態によっては、複数回の治療が必要になる場合もあるため、医師とよく相談して治療方針を決めることが重要です。治療を希望する場合は、経験豊富な医師に相談し、最適な治療法を選択しましょう。
フォアダイスの治療費用
フォアダイスの一般的な治療費を以下の表でまとめました。
治療方法 |
費用範囲 |
レーザー除去 |
22,000〜55,000円 |
切除・縫合手術 |
50,000〜80,000円 |
電気メスによる除去 |
30,000〜180,000円 |
液体窒素による凍結療法 |
10,000〜30,000円 |
尖圭コンジローマ焼灼術 |
110,000円 |
真珠様陰茎丘疹(PPP)焼灼術 |
55,000円 |
治療費用は、症状の程度や治療範囲によって変動します。クリニックによって価格設定が異なる場合があります。多くの場合、診察料や麻酔代、手技料、投薬などの費用が含まれています。
一部のクリニックでは、初回診察やカウンセリングを無料で提供しているところもあります。当院の治療では、55,000円からフォアダイスの施術対応をしています。
フォアダイスの注意点
フォアダイスとどのように付き合っていくべきかを考えることも大切です。フォアダイスの注意点について、以下の内容を解説します。
- 清潔を保つ
- 治療後のケアを徹底する
清潔を保つ
フォアダイスは皮脂腺の拡張が原因で発生するため、清潔を保つことが重要です。皮脂腺の拡張は皮脂の分泌に変化を生じ、フォアダイスの発生につながると考えられています。
清潔にすることで、炎症や細菌感染などの合併症の予防が期待できます。陰部は皮脂や汗、汚れが溜まりやすい場所です。以下の洗浄方法を身につけて、フォアダイスの状態を清潔に維持しましょう。
洗浄方法 |
説明 |
注意点 |
シャワー洗浄 |
陰部に直接シャワーを当て、優しく洗い流します。石鹸を使う場合は、低刺激性のものを選び、しっかりと泡立ててから使用しましょう。 |
熱すぎるお湯は皮脂を必要以上に洗い流し、乾燥を招く可能性があります。38度程度のぬるま湯を使用しましょう。 |
石鹸洗浄 |
低刺激性の石鹸を使用し、泡立ててから優しく洗い、しっかりとすすぎます。ゴシゴシこすらず、優しく丁寧に洗うことが大切です。 |
香料や着色料の入った石鹸は、刺激になる場合があるので避けましょう。 |
治療後のケアを徹底する
フォアダイスの治療後も、再発予防のため、日常生活でのケアが重要です。レーザー治療や液体窒素による凍結療法などの外科的治療後には、医師の指示に従って適切なケアを行い、合併症のリスクを最小限に抑えましょう。
- 薬の塗布
炎症や感染を防ぐため、医師から処方された抗生物質の軟膏やクリームを指示通りに塗布します。自己判断で薬の使用を中止せず、処方された期間を守ることが大切です。 - 患部を清潔に保つ
治療部位は清潔に保つことが重要です。適切な洗浄と消毒を行い、治癒を促進し、感染症のリスクを軽減します。清潔を保つことは、治療後の回復を早め、再発を予防するうえで重要な役割を果たします。 - 通気性を良くする
患部を締め付けない、通気性の良い衣類を着用することで、治癒を促進し、再発を予防します。締め付ける下着やズボンは、摩擦や蒸れを引き起こし、患部の治癒を遅らせる可能性があります。 - 紫外線対策
治療部位は、一時的に紫外線に敏感になっている可能性があります。治療を行った部位には紫外線対策を行うべきですが、基本的に下着で隠れる部位なので、特別な対策は不要です。 - バランスの取れた食事と十分な睡眠
健康的な生活習慣は、免疫力を高め、治療後の回復を促進するうえで重要です。栄養バランスの良い食事を摂り、十分な睡眠を確保しましょう。 - 定期的な検診
治療後も定期的にクリニックを受診し、医師の診察を受けましょう。再発の早期発見や、その他の皮膚疾患の有無を確認するために重要です。医師の指示に従い、適切なフォローアップを受けましょう。
フォアダイスは良性の疾患ですが、適切なケアを行わないと症状が悪化し、再発する可能性があります。治療後も医師の指示に従い、ケアを徹底することが大切です。
まとめ
フォアダイスは陰茎にできる小さなブツブツで、思春期以降の男性によく見られます。フォアダイスは良性の皮膚疾患とされ、感染性は確認されておらず、多くの場合、治療の必要性は低いとされています。
原因は完全には解明されていませんが、皮脂腺の過剰な発達や男性ホルモンの影響などが考えられています。症状としては、1~3mm程度の肌色や黄白色のブツブツが陰茎の亀頭や冠状溝に複数現れます。
痛みやかゆみなどの自覚症状はほとんどありません。見た目が気になる場合は、レーザー治療、電気メスによる治療、液体窒素による凍結療法などの治療法があります。治療を行うかどうかは、ご自身の判断で構いません。
フォアダイスは自然に消えることもありますが、多くの場合はそのまま残ります。日常生活では、刺激を避け、清潔を保つことが大切です。治療後も再発予防のため、医師の指示に従って適切なケアを行いましょう。フォアダイスについて不安なことがあれば、気軽に医療機関を受診してください。
フォアダイスを自己判断で処理することは危険ですので推奨していません。以下の記事で、フォアダイスに関するリスクや安全な対処法を詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
>>フォアダイスを自分で取るのは危険?推奨しない理由やリスク、安全な対処法を解説
参考文献
Ying Zhang, Cheryl C Johnson, Van Thi Thuy Nguyen, Jason J Ong. Role of HIV self-testing in strengthening HIV prevention services. Lancet HIV, 2024 Nov;11(11):e774-e782.
ページ監修:総院長「葉山芳貴」紹介

総院長、医学博士 葉山芳貴
経歴
- 平成14年
- 聖マリアンナ医科大学 卒業
- 平成20年
- 大阪医科大学 大学院 卒業
- 平成22年
- 大手美容形成外科 院長 就任
- 平成27年
- メンズサポートクリニック開設
- 平成28年
- メンズサポートクリニック新宿 院長就任
- 平成28年
- 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)