ED治療の保険適用条件とは?不妊治療で処方されるED治療薬について
- 更新日:2025.03.03
- 投稿日:2025.03.03

現代社会では、ED(勃起不全)に悩む男性が増えています。2022年4月から不妊治療目的のED治療薬が保険適用になりました。本記事では、適用条件や対象薬剤、費用、手続き方法、保険診療で処方される薬剤の種類や治療までの流れを詳しく解説します。
MSクリニック横浜では、EDでお悩みの方に対して適切な診断と治療を提供しています。一人で悩まず、適切な情報を得て、より良い生活への一歩を踏み出しましょう。
ED治療と保険適用における3つのポイント
ED治療は費用がネックになり、治療をためらう方も少なくありません。しかし、条件を満たせば保険適用され、費用負担を抑えながら治療を受けられる可能性があります。ED治療と保険適用における3つのポイントは以下のとおりです。
- ED治療が保険適用される条件
- 医師による診断と必要な検査
- 不妊治療との関連と処方の制限
ED治療が保険適用される条件
ED治療が保険適用されるのは「不妊治療の一環として処方される場合」に限定されます。具体的には、以下の条件を満たす必要があります。
- EDが原因で性交が困難であること
- パートナーとともに不妊治療を行っていること
- 医師の診断を受けていること
保険適用されるED治療薬は、不妊治療の一環として性交を補助する目的で処方される場合に限られます。
医師による診断と必要な検査
保険適用を受けるためには、泌尿器科で5年以上の経験を持つ医師による診断が必要です。診察では、以下の検査が行われます。
- 問診や触診
- 血糖値・テストステロン値の測定
- ED診療ガイドラインにもとづいた診断
ED治療薬の保険適用には、日本性機能学会や泌尿器科学会が策定した「ED診療ガイドライン」にもとづいた診断が求められます。
不妊治療との関連と処方の制限
不妊治療としてのED治療には、以下の制限があります。
- 本人またはパートナーが6か月以内に不妊治療(人工授精や体外受精など)を受けている
- 1回の診療で処方できるED治療薬の量は4錠まで
- 継続処方には6か月毎の見直しが必要
不妊治療と組み合わせる形でED治療が行われるため、単独のED治療では保険適用されません。また、保険適用の可否は医師との相談が必要です。
保険適用されるED治療薬の種類
保険適用になるED治療薬は、医師の判断により処方されるPDE5阻害薬と呼ばれる、以下の表にまとめた薬剤です。
薬剤名 |
剤形 |
特徴 |
バイアグラ |
錠剤 |
効果発現が早く、食事の影響を受けやすい |
バイアグラODフィルム |
フィルム |
水なしで服用可能、携帯に便利 |
シアリス |
錠剤 |
効果持続時間が長い |
血管を拡張させることで勃起を促す効果が期待できます。費用を抑えるためにジェネリック医薬品を希望しても、保険は適用されませんのでご注意ください。ジェネリック医薬品であっても、ED治療薬としては保険適用外となるため、自由診療扱いとなります。具体的な薬剤については、医師にご相談下さい。
安全に治療を受けるために
ED(勃起不全)治療は適切な医療機関で受けることが重要です。無許可の個人輸入薬やインターネットでの個人購入は、成分や安全性が保証されておらず、健康被害のリスクがあります。偽造薬が流通している可能性もあるため、必ず医師の処方を受けるようにしましょう。
治療中に異変を感じた場合は、すぐに医師に相談してください。ED治療薬には、副作用(頭痛、顔のほてり、動悸など)が報告されているため、自己判断での服用は避けましょう。
治療開始前の確認事項
治療を始める前に、以下の点を確認しましょう。
現在服用中の薬を医師に伝える
ED治療薬は、他の薬と相互作用を起こすことがあります。硝酸薬(ニトログリセリンなど)を服用中の場合は、併用すると血圧が急激に下がる恐れがあるため、必ず医師に伝えてください。
持病がないか確認する
高血圧や心疾患、糖尿病などの持病がある場合、ED治療が適切かどうかを医師と相談しましょう。心臓に負担がかかる可能性があるため、経験豊富な医師の指導が必要です。
保険適用されるか確認する
保険適用でED治療を受けるには条件があります。悩んでいるEDが、保険の対象になるかどうか、事前に医師に相談しましょう。
保険適用でED治療を受ける際の手続きと費用
保険適用でED治療を受ける際の手続きは以下のとおりです。
- 保険証を持参する
- 不妊治療を受けていることを証明する書類(領収書、診療明細書など)を提示する
- パートナーと一緒に受診することが推奨される
ED治療を受ける際の費用について、保険適用の場合は自己負担は3割です。1か月あたり1,000~2,500円程度が目安ですが、実際の費用は診療内容で異なります。バイアグラ(50mg)の場合、自由診療では1錠1,000〜1,500円ですが、保険適用の場合はさらに低価格で処方される可能性があります。
保険適用外の治療を受ける場合は、全額自己負担になります。
具体的な費用については、受診される医療機関にお問い合わせください。ED治療はデリケートな問題であり、費用も心配の一つです。しかし、保険適用の選択肢があることを知っておくことで、治療へのハードルが下がります。まずは気軽に医療機関に相談し、ご自身の状況に合った治療法を見つけることが大切です。
不正に保険適用を受けようとすると、医療費の返還義務が生じる可能性がありますので、ご注意ください。
不妊治療におけるED治療薬の役割
不妊治療におけるED治療薬の役割は以下のとおりです。
- 不妊治療でED治療薬を使うタイミング
- タイミング法におけるED治療薬の効果
- ED治療薬の使用で妊娠の可能性を高める
不妊治療でED治療薬を使うタイミング
不妊治療でED治療薬が用いられるのは、EDが不妊の一因となっている場合です。性行為がうまくいかないことで妊娠が難しい状況になっている場合、ED治療薬の使用によって性交が可能となり、結果として妊娠の可能性を高めることが期待できます。
タイミング法におけるED治療薬の効果
タイミング法とは、女性の排卵日に合わせて性行為を行うことで、妊娠の可能性を高める方法です。EDによって性行為が困難な場合、タイミングを合わせること自体が難しいことがあります。
ED治療薬の効果は以下のとおりです。
- バイアグラ(効果発現まで約30分~1時間、持続時間は4~5時間)
- シアリス(効果発現まで約1時間、持続時間は最大36時間)
服用するタイミングや適切な薬の種類・用量は、医師の指導に従いましょう。医師が、患者さんの症状や生活スタイルに合った薬剤を選択し、適切な服用方法を指導します。
ED治療薬の使用で妊娠の可能性を高める
ED治療薬は、EDによる性行為の困難さを改善することで、タイミング法の成功をサポートするものです。直接的に妊娠率を上げるわけではありませんが、結果として妊娠の可能性を高めることにつながります。
妊娠は、以下の複数の要因によって成立します。
- 卵子の質
- 精子の状態(運動率や数)
- 子宮の状態(着床しやすい環境か)
ED治療薬は「性行為が可能である」という一要素をサポートするものです。他の不妊要因がある場合は、適切な検査と治療を受けることも重要です。
ED治療薬を使用する際の注意点
ED治療薬は医師の処方が必要な医薬品です。自己判断で服用するのではなく、必ず医師の診察を受けましょう。以下に当てはまる方は注意が必要です。
- 狭心症や心筋梗塞の既往歴がある
- 低血圧または高血圧の治療中
- 硝酸薬を服用している(併用禁忌)
- 網膜色素変性症などの持病がある
男性専門クリニックでED治療を受けるメリット3選
男性クリニックでED治療を受けるメリットは以下のとおりです。
- 専門クリニックならではのED治療
- プライバシーへの配慮と安心できる環境
- 包茎手術や増大術との併用相談が可能
専門クリニックならではのED治療
EDの原因は、生活習慣病(糖尿病・高血圧など)や加齢、精神的ストレスなど多岐にわたります。男性専門クリニックでは、経験豊富な医師が診察を行い、一人ひとりに最適な治療を提案します。ED治療薬を適切に処方し、最新の研究成果を取り入れた治療を提供しています。
EDには心因性の原因もあります。心因性EDの原因は一人ひとり異なり、適切な対処法を知ることが改善への第一歩になります。具体的な症状や治療法について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
>>心因性EDの原因とは?主な症状や対処法、治療法を解説
プライバシーへの配慮と安心できる環境
ED治療はデリケートな問題であり、プライバシーの確保が重要です。MSクリニック横浜院では、個室の待合室をご用意しています。医師、看護師だけでなく受付スタッフも男性で、安心して相談できる環境を整えています。治療内容や費用に関する疑問も気軽にご相談いただけます。
当院では、ED治療薬として、院内処方しています。オンライン診療による処方も行っていますので遠方の方でも利用できます。気になる方はぜひ公式サイトをご確認ください。
>>オンライン予約はこちらから
包茎手術や増大術との併用相談が可能
EDの原因が身体的なコンプレックスに起因する場合、包茎手術や増大術を併用することで、症状の改善が期待できます。包茎による痛みがEDにつながっている場合、手術で解消することで自然な勃起が得られるケースもあります。経験豊富な医師が、患者さんの悩みに寄り添い、最適な治療プランを提案します。
まとめ
ED治療は、不妊治療の一環として、特定の条件下で保険適用が可能となることを知っておくと、治療への一歩を踏み出しやすくなります。ED治療が保険適用となる条件は以下のとおりです。
- 不妊治療が目的であること
- 医師の診断と検査を受けること
- 特定の不妊治療を受けていること
保険適用の対象となるED治療薬については医師にご相談ください。保険適用の場合の費用は3割負担で、処方内容により異なります。自由診療と比べて、経済的な負担が軽減される可能性があります。手続きの際は、保険証と不妊治療を受けていることがわかる書類を持参し、医療機関を受診してください。パートナーとの同伴も推奨されています。
ED治療はデリケートな問題ですが、適切な治療を受けることで、妊娠の可能性を高めることが期待できます。まずは気軽に医療機関に相談してみましょう。
年齢や生活習慣、ストレスなどがどのように影響するのか、EDになりやすい人の特徴や具体的な対処法について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
>>ED(勃起不全)の原因とは?なりやすい年齢や症状の特徴、対処法について
参考文献
Abdelkader E. Ashour, A. F. M. Motiur Rahman, Mohammed G. Kassem. Vardenafil dihydrochloride. Handbook of Nonprescription Drugs, 2014, 39, p. 515-544.
ページ監修:総院長「葉山芳貴」紹介

総院長、医学博士 葉山芳貴
経歴
- 平成14年
- 聖マリアンナ医科大学 卒業
- 平成20年
- 大阪医科大学 大学院 卒業
- 平成22年
- 大手美容形成外科 院長 就任
- 平成27年
- メンズサポートクリニック開設
- 平成28年
- メンズサポートクリニック新宿 院長就任
- 平成28年
- 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)