40代男性の性欲減退の原因とは?心身の変化と改善アプローチ|MSクリニック横浜
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40代男性の性欲減退の原因とは?心身の変化と改善アプローチ

  • 更新日:2025.04.21
  • 投稿日:2025.04.21
40代男性の性欲減退の原因とは?心身の変化と改善アプローチ

40代男性の多くが経験する性欲減退は、テストステロンの低下やストレス、生活習慣の乱れなど、さまざまな要因が関係しています。多くの場合、適切な対応を行うことで、症状の改善が期待できます。

この記事では、40代男性の性欲減退に関わる主要な原因5つを詳しく解説し、検査方法や具体的な改善策、生活習慣の見直しまでご紹介します。年齢による自然な変化と思われがちですが、背景には複雑なメカニズムが潜んでいます。自信を取り戻すための第一歩として、原因を理解し、効果的なアプローチ法を学びましょう。

MSクリニック横浜では、加齢やストレス、ライフスタイルの変化に伴う性欲の悩みに対し、個別に最適な治療法をご提案しています。誰にも相談しづらいからこそ、安心して話せる環境と専門的なサポートが大切です。あなたの心と体のバランスを整え、再び前向きな日常を取り戻すお手伝いをいたします。

40代男性に多い性欲減退の5つの原因

ご自身の状態を正しく理解し、適切な対応をするために、まずは40代男性によく見られる性欲減退の5つの原因について解説します。

  • 加齢によるテストステロンの減少
  • ストレスや疲労の蓄積
  • 生活習慣の乱れ:睡眠不足・食生活・運動不足など
  • 疾患の影響:糖尿病・高血圧・甲状腺疾患など
  • 服用薬の副作用

加齢によるテストステロンの減少

男性ホルモンの代表格であるテストステロンは、性欲だけでなく、体力や筋力、精神状態など、男性の心身に幅広く影響を与えています。テストステロンは20〜30代をピークに、40代以降は徐々に減少していきます。一般的には1年で1〜3%ずつ減少すると言われており、自然な老化現象の一つです。

中にはテストステロンの減少幅が平均よりも大きい方もいます。テストステロンが極端に減少すると、男性更年期障害(LOH症候群)を発症し、以下の症状が現れることがあります。

  • 性欲の低下
  • ED(勃起不全)
  • 体力や筋力の低下
  • 疲労感の増大
  • 集中力の低下
  • イライラしやすくなる
  • 抑うつ状態になる

こうした症状の中でも、精神的な不安やプレッシャーが引き金となる「心因性ED」は見落とされがちです。以下の記事では、心因性EDの主な原因や症状、対処法について詳しく解説しています。ご自身の状況に当てはまるかをチェックしてみましょう。
>>心因性EDの原因とは?主な症状や対処法、治療法を解説

ストレスや疲労の蓄積

現代社会はストレス社会とも言われ、仕事や人間関係、家庭環境など、さまざまな場面でストレスにさらされています。ストレスを感じると、体の中ではコルチゾールというホルモンが分泌されます。コルチゾールは、テストステロンの分泌を抑制する働きがあるため、性欲の低下につながることがあります。

ストレスは精神的な疲労にもつながり、性欲減退をさらに悪化させる可能性があります。ストレスが原因で性欲が減退している場合は、ストレスの原因を取り除いたり、ストレスへの対処法を身につけたりすることが重要です。

生活習慣の乱れ:睡眠不足・食生活・運動不足など

日々の生活習慣の乱れも、性欲に大きな影響を与えます。睡眠不足や食生活の乱れ、運動不足などは、ホルモンバランスを崩し、性欲減退を招く可能性があります。それぞれの影響について、以下の表でまとめています。

生活習慣の乱れ

影響

睡眠不足

コルチゾール分泌増加、成長ホルモン分泌減少、ホルモンバランスの乱れ、自律神経への影響

食生活の乱れ

テストステロン生成に必要な栄養素(亜鉛、タンパク質、ビタミンなど)の不足

運動不足

血行不良、肥満、テストステロン減少

生活習慣の乱れは、単独で作用するだけでなく、互いに悪影響を及ぼし合い、性欲減退を加速させる可能性があります。

疾患の影響:糖尿病・高血圧・甲状腺疾患など

性欲減退は、重大な疾患のサインである可能性もあります。糖尿病や高血圧、甲状腺疾患、慢性腎臓病、高プロラクチン血症などの慢性疾患は、性欲減退を引き起こす可能性があります。

糖尿病は血管を傷つけ、血流を悪くするため、勃起機能にも悪影響を及ぼし、性欲も低下してしまうことがあります。甲状腺機能低下症も性欲減退の原因となることが知られています。

服用薬の副作用

現在服用している薬が、性欲減退の隠れた原因となっているケースもあります。高血圧の薬や抗うつ薬、前立腺肥大症の薬(フィナステリド、デュタステリド)の中には、性欲減退の副作用を持つものがあります。

薬を飲み始めてから性欲が低下したと感じている場合は、自己判断で服用を中止せず、必ず医師に相談しましょう。他の薬に変更することで改善する可能性もあります。

性欲減退の検査と治療法

適切な改善策を見つけるためには、専門的な検査と治療が不可欠です。40代男性の性欲減退に対する検査と治療法について、以下の内容を解説します。

  • 精液検査とホルモン検査
  • テストステロン補充療法
  • ED治療薬との併用

精液検査とホルモン検査

性欲減退の原因を特定するための第一歩は、精液検査とホルモン検査です。精液検査では、精子の数や運動率、形状などを顕微鏡で細かく観察します。精子の状態が基準値を下回っている場合は、性欲減退に影響を与えている可能性があります。精子の数が少ないと、妊娠の可能性が低くなるだけでなく、性行為に対する自信喪失から性欲が低下するケースも考えられます。

ホルモン検査では、血液中のテストステロンなどの男性ホルモンの量を測定します。テストステロンは性欲に大きく関わるホルモンであり、加齢とともに減少していくのは自然な現象です。しかし、40代で著しく減少している場合は、性欲減退の主要な原因と考えられます。

テストステロン以外にも、甲状腺ホルモンやプロラクチンなどのホルモン値も性欲に影響を与えるため、必要に応じて検査を行います。甲状腺ホルモンが不足すると、全身の代謝が低下し、性欲を含むさまざまな機能が低下する可能性があります。

プロラクチンは母乳の分泌を促進するホルモンですが、過剰に分泌されるとテストステロンの分泌を抑制し、性欲減退を引き起こすことがあります。医師は検査結果を総合的に判断し、患者さん一人ひとりに最適な治療方針を決定します。

テストステロン補充療法

加齢や疾患などによってテストステロンの分泌量が著しく減少している場合は、テストステロン補充療法が有効な場合があります。不足しているテストステロンを外から補充することで、性欲の改善を図る治療法です。注射や塗り薬、貼り薬など、さまざまな投与方法があり、患者さんの状態に合わせて最適な方法を選択します。

テストステロン補充療法は、性欲減退だけでなく、勃起不全や抑うつ気分、筋肉や骨量の減少など、テストステロン欠乏に関連する他の症状にも効果が期待できます。前立腺がんの患者さんには禁忌となる場合があるので、必ず医師との相談が必要です。

長期的な治療における安全性についても、十分に解明されていない部分があり、心不全の悪化などのリスクが懸念されています。医師の指示に従って慎重に治療を進めることが重要です。

ED治療薬との併用

性欲減退に加えて、勃起不全(ED)の症状がある場合は、ED治療薬との併用が検討されることもあります。ED治療薬は、陰茎の血流を改善することで勃起機能をサポートする薬です。性欲そのものを高める効果はありませんが、勃起機能が改善することで、性行為への自信を取り戻し、結果的に性欲の改善につながる可能性があります。

性欲減退は、多くの男性が抱えるデリケートな問題です。一人で悩まず、まずは専門機関に相談してみましょう。適切な検査と治療によって、改善できる可能性は十分にあります。MSクリニック横浜では、EDに対するさまざまな治療法を提供しています。詳しくは以下のページをご覧ください。
>>ED治療について詳しく知る

性欲減退を改善するための生活習慣6選

生活習慣を整えることで、性欲減退の改善だけでなく、心身の健康にも良い影響をもたらします。性欲減退の改善に役立つ6つの生活習慣は以下のとおりです。

  • バランスの良い食事で栄養を補給する
  • 適度な運動で血行促進する
  • 十分な睡眠でホルモンバランスを整える
  • ストレスを軽減する
  • 禁煙を行い血流改善を目指す
  • アルコール摂取を控える

バランスの良い食事で栄養を補給する

精力の維持には、体全体の健康状態が深く関わっています。バランスの良い食事は、性欲を含むさまざまな身体機能の維持に不可欠です。特に、男性ホルモンの生成や精子の健康に重要な役割を果たす栄養素について、以下の表にまとめています。

栄養素

働き

含まれる食品

タンパク質

筋肉や骨の形成、ホルモンの生成

肉や魚、卵、大豆製品

亜鉛

細胞の再生や免疫機能の維持、テストステロンの生成

牡蠣や牛肉、ナッツ類

ビタミンB群

エネルギー代謝の促進や疲労回復

豚肉やレバー、うなぎ

ビタミンE

抗酸化作用や血行促進

アーモンドやアボカド、ほうれん草

栄養素をバランス良く摂取するために、毎日の食事内容を意識することが重要です。朝食に卵やヨーグルト、昼食に肉や魚、夕食に豆腐や納豆などを加えることで、バランスが良くなります。外食中心の食生活を避け、自炊をする機会を増やすことも効果的です。

栄養バランスの良い食事は、精力の維持だけでなく、生活習慣病の予防にもつながります。食事のタイミングも重要です。朝食を抜いたり夕食の時間が遅すぎたりすると、体内時計が乱れ、ホルモンバランスにも悪影響を及ぼす可能性があります。規則正しい時間に食事を摂るように心がけましょう。

特に、糖尿病を抱えている方はED(勃起不全)を発症するリスクが高まるとされており、血糖コントロールと性機能の関係について理解を深めることが重要です。以下の記事では、糖尿病とEDの関係や妊娠への影響、具体的な治療法について詳しく解説しています。
>>糖尿病だとEDのリスクは高い?妊娠しにくい?原因や症状、治療法を解説

適度な運動で血行促進する

運動不足は、血行不良を招き、男性ホルモンの分泌を低下させる原因です。適度な運動は、血行を促進し、テストステロンの分泌を促す効果が期待できます。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、心肺機能を高め、全身の血行を改善します。筋力トレーニングは、テストステロンの分泌を増加させる効果が期待でき、特にスクワットなどの下半身のトレーニングは効果的です。

運動は、週に3回程度、30分以上行うことが理想的です。いきなり激しい運動を始めるのではなく、ご自身の体力に合わせた運動から始めることが大切です。軽いウォーキングやストレッチから始めて、徐々に運動強度を高めていくようにしましょう。過度な運動は逆効果となる場合もあるので、無理のない範囲で行うことが重要です。

十分な睡眠でホルモンバランスを整える

睡眠は、心身の健康を維持するために不可欠な要素です。睡眠不足は、ホルモンバランスを乱し、精力の低下につながる可能性があります。成長ホルモンは、睡眠中に分泌されるため、睡眠不足になると成長ホルモンの分泌量が減少し、テストステロンの分泌にも悪影響を及ぼします。

質の高い睡眠を十分にとることで、男性ホルモンの分泌が正常に保たれる可能性があります。毎日同じ時間に寝起きし、寝る前にカフェインを摂取しない、寝室を暗く静かに保つなど、睡眠の質を高める工夫をしましょう。1日6~8時間の睡眠を目標に、規則正しい生活リズムを維持することが大切です。

ストレスを軽減する

現代社会はストレス社会とも言われています。ストレスは、心身にさまざまな悪影響を及ぼし、性欲の低下にもつながることがあります。ストレスを感じると、体内でコルチゾールというホルモンが分泌されます。コルチゾールは、ストレスに対抗するために必要なホルモンですが、過剰に分泌されるとテストステロンの分泌を抑制し、性欲減退を引き起こす可能性があります。

ストレスを軽減するためには、リラックスする時間を作るのが効果的です。好きな音楽を聴いたり、読書をしたり、ゆっくりお風呂に入るなど、自分に合ったリラックス法を見つけましょう。瞑想やヨガなども、心身をリラックスさせる効果があります。

禁煙を行い血流改善を目指す

喫煙は、血管を収縮させ、血流を悪化させるため、精力の低下につながる可能性があります。ニコチンは血管収縮作用を持つため、陰茎への血流が滞り、勃起機能の低下につながることもあります。喫煙は動脈硬化のリスクを高めるため、長期的に見るとEDの原因となる可能性もあります。

禁煙することで、血流が改善され、精力の回復が期待されるだけでなく、さまざまな生活習慣病の予防にもつながります。

アルコール摂取を控える

過度のアルコール摂取は、肝臓に負担をかけ、男性ホルモンの生成を阻害する可能性があります。アルコールは、テストステロンの分泌を抑制する作用もあるため、精力の低下につながります。また、アルコールの過剰摂取は、睡眠の質を低下させる可能性もあります。適量のアルコールであればリラックス効果も期待できますが、過剰摂取は避けるようにしましょう。

生活習慣の改善は、単独で行うよりも、複数を組み合わせることでより大きな効果が期待できます。焦らず少しずつ、継続的に取り組むことが大切です。

まとめ

40代男性の性欲減退は、誰にでも起こりうる自然な変化の一環である場合が多いです。加齢によるテストステロンの減少だけでなく、ストレスや生活習慣の乱れ、疾患、服用薬なども原因として考えられます。

重要なのは、原因を正しく理解し、自分自身に合った適切な対策を見つけることです。ホルモン検査や精液検査で原因を特定し、生活習慣の改善やテストステロン補充療法など、さまざまな治療法があります。

性欲減退はより深刻な健康問題のサインである可能性もあります。一人で悩まず、専門機関に相談し、検査を受けてみましょう。日々の生活習慣を見直し、心身ともに健康な状態を保つことが、精力の維持につながり、充実した人生を送るための鍵となります。

以下の記事では、ED治療にかかる費用や治療薬、手術の価格相場について詳しく解説していますので、費用面で不安を感じている方はぜひ参考にしてみてください。
>>ED治療の費用は?治療薬や手術の価格相場を比較

参考文献

Arcangelo Barbonetti, Settimio D’Andrea, Sandro Francavilla. Testosterone replacement therapy. Andrology, 2020, 8, 6, p.1551-1566

ページ監修:総院長「葉山芳貴」紹介

葉山芳貴

総院長、医学博士 葉山芳貴

経歴

平成14年
聖マリアンナ医科大学 卒業
平成20年
大阪医科大学 大学院 卒業
平成22年
大手美容形成外科 院長 就任
平成27年
メンズサポートクリニック開設
平成28年
メンズサポートクリニック新宿 院長就任
平成28年
医療法人清佑会 理事長 就任

資格

医師免許(医籍登録番号:453182)

保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)