30代男性の性欲減退の原因とは?ストレスと健康問題の関連性
- 更新日:2025.04.21
- 投稿日:2025.04.21

30代に入り、精力の衰えを感じていませんか?「最近、元気がない」「パートナーとの時間が楽しめない」と、誰にも言えず、一人で悩んでいる方もいらっしゃいます。実は、30代男性の性欲減退は決して珍しくありません。
加齢だけでなく、現代社会特有のストレスや生活習慣、ホルモンバランスの乱れなど、さまざまな要因が複雑に絡み合っているのです。この記事では、医師の視点から、30代男性に多い性欲減退の4つの原因を紐解き、具体的な改善策も提示します。記事を通して、活力を取り戻すヒントを見つけましょう。
MSクリニック横浜では、性欲の減退にお悩みの方に対して、心身の状態を丁寧に見極めながら、個々の状況に最適な治療プランをご提案しています。人には相談しづらいテーマだからこそ、専門の医師と一緒に向き合うことが、前向きな変化への第一歩です。あなた本来の健やかさと、自信の持てる毎日を取り戻すサポートをいたします。
30代男性に多い性欲減退の4つの原因
30代男性に多い性欲減退の原因について、以下の4つを解説していきます。
- ストレスによるホルモンバランスの乱れ
- 睡眠不足や食生活の乱れなど生活習慣の悪影響
- 加齢によるテストステロンの減少
- うつや不安障害などの精神疾患
ストレスによるホルモンバランスの乱れ
現代はストレス社会とも言われ、30代男性は特に仕事や家庭での責任、将来への不安など、さまざまなストレスにさらされています。ストレスは、性欲減退に大きく影響しており、ストレスを感じると、私たちの身体の中では「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。
コルチゾールは、別名「ストレスホルモン」とも呼ばれ、過剰に分泌されると、男性ホルモンであるテストステロンの生成を邪魔します。テストステロンは、性欲を維持するために必要不可欠なホルモンです。テストステロンが減少すると、性欲が低下するだけでなく、勃起機能の低下や男性更年期障害(LOH)の初期症状につながる可能性も出てきます。
ストレスは自律神経のバランスも崩します。自律神経には、活動時に働く交感神経と、リラックス時に働く副交感神経の2種類があります。ストレスによって交感神経が優位な状態が続くと、テストステロンの分泌を抑制し、性欲減退を招く一因となるのです。ストレスが長引くと、悪循環から抜け出せなくなり、心身に深刻な影響を及ぼす可能性もあります。
睡眠不足や食生活の乱れなど生活習慣の悪影響
睡眠時間を削ったり、食事がインスタント食品中心になったりするような生活習慣の乱れも、性欲減退につながる重要な要因です。
睡眠不足になると、成長ホルモンやテストステロンといったホルモンの分泌が阻害されます。成長ホルモンやテストステロンは、性欲の維持だけでなく、身体の成長や修復にも深く関わっています。十分な睡眠は、心身の健康を保つうえで重要なのです。
食生活も、精力維持に大きく関わっています。偏った食事や栄養不足は、ホルモンの生成に悪影響を与えます。テストステロンの生成に欠かせない栄養素として、亜鉛やビタミンDが挙げられます。牡蠣やレバー、ナッツ類などに多く含まれる亜鉛、魚介類やキノコ類に含まれるビタミンDを意識的に摂取することで、テストステロンの分泌をサポートすることが期待できます。
運動不足も大きな問題です。適度な運動は、血行を促進し、テストステロンの分泌を促す効果があります。運動不足は血行不良を招き、テストステロンの減少につながる可能性があります。週に3回程度の筋トレを行うだけでも、テストステロンの分泌促進に効果が期待できます。
過度の飲酒や喫煙も、性欲減退に悪影響を及ぼします。過度の飲酒は肝機能を低下させ、テストステロンの代謝を阻害する可能性があります。喫煙は血管を収縮させ、陰茎への血流を悪くする原因です。
加齢によるテストステロンの減少
男性ホルモンの代表格であるテストステロンは、20代をピークに徐々に減少していくことが知られています。30代に入ると、年間1〜2%のペースで減少していくと言われており、個人差はありますが、30代後半になると性欲の低下を自覚する男性が増えてくる傾向にあります。
しかし、健康的な生活習慣を維持することで、テストステロンの減少スピードを緩やかにし、いつまでも活力ある生活を送ることが可能です。
性欲の低下や朝立ちの減少が続く場合、ED(勃起不全)のサインである可能性もあります。EDとは、性的刺激を受けても十分な勃起が得られない、あるいは維持できない状態のことを指し、加齢だけでなく生活習慣やメンタルの影響も関係しています。以下の記事では、EDの原因やなりやすい年齢、対処法についてわかりやすく解説しています。
>>ED(勃起不全)の原因とは?なりやすい年齢や症状の特徴、対処法について
うつや不安障害などの精神疾患
性欲減退は、うつ病や不安障害などの精神疾患と関連している場合があります。精神疾患は、脳内の神経伝達物質のバランスを崩し、性欲の低下を引き起こす可能性があります。
精神疾患の治療薬の中には、性欲減退を副作用として引き起こすものもあるため、注意が必要です。性欲減退とともに、気分の落ち込みや強い不安感、不眠などの症状がある場合は、精神疾患の可能性も考慮し、医療機関への相談をおすすめします。
性欲減退のセルフチェックと症状
ご自身の状態を把握するために、以下のセルフチェック項目を確認してみましょう。
- 性欲の低下
- 勃起しにくい、勃起が持続しない
- 朝立ちの減少
- 射精量の減少
性欲の低下
性欲の低下とは、性的なことに対する興味や関心が薄れることを指します。性的なコンテンツを見たいと思わなくなったり、パートナーとのスキンシップに喜びを感じなくなったりするといった変化が現れます。性欲は個人差が大きく、年齢やライフステージ、環境によっても変化します。
性欲の低下によって日常生活に支障が出ていたり、パートナーとの関係に悩んでいたりする場合は、一度立ち止まって考えてみる必要があります。性欲低下として、以下の原因も考えられます。
- 精神的なストレス
- 身体的な疲労
- ホルモンバランスの乱れ
- パートナーとの関係性
- 仕事へのプレッシャー
統合失調症やうつ病などの精神疾患も性欲に影響を与えることが近年の研究で示唆されています。2023年に発表された統合失調症における性機能障害に関するメタアナリシスでは、統合失調症患者の性機能障害の有病率は56.4%と報告されています。
性欲の低下以外にも気分の落ち込みや強い不安感、不眠などの症状がある場合は、精神疾患の可能性も考慮し、医療機関への相談をおすすめします。
勃起しにくい、勃起が持続しない
勃起機能の低下は、性行為の満足度を大きく左右する問題です。勃起は、精神的な興奮や性的な刺激によって、陰茎への血流が増加することで起こります。ストレスや生活習慣の乱れ、加齢、あるいは血管系の疾患などの要因も関係します。
一時的な勃起の不調は誰にでも起こりうるものですが、継続的に症状が現れる場合は、根本的な原因を突き止める必要があります。勃起機能の低下は、性行為の際に満足感を得にくくなるだけでなく、精神的なストレスや自信喪失にもつながる可能性があります。
朝立ちの減少
朝立ちは、睡眠中に自然に勃起が起こる現象で、健康のバロメーターとも言われています。朝立ちの頻度や硬さは年齢とともに変化しますが、以前と比べて明らかに減少したり、硬さが弱くなったりと感じる場合は、男性ホルモンの減少や血行不良などが考えられます。
男性ホルモンの代表格であるテストステロンは、20代をピークに徐々に減少していきます。30代に入ると、年間1〜2%のペースで減少していくと言われており、朝立ちの減少は、テストステロンの減少と関連している可能性があります。
以下の記事では、朝立ちが起きなくなる背景やその対処法について、ホルモンバランスや生活習慣の視点から詳しく解説しています。
>>朝立ちしない原因と対処法!ホルモンバランスと生活習慣の影響
射精量の減少
射精量は、年齢や健康状態、性行為の頻度などによって変化しますが、以前と比べて明らかに減少したと感じる場合は注意が必要です。加齢による男性ホルモンの減少や、前立腺肥大症などの疾患が原因となっている可能性も考えられます。
2023年の研究では、統合失調症の患者さんでは射精障害も比較的高い頻度で見られることが報告されています。統合失調症に限らず、精神的なストレスや生活習慣の乱れも射精量に影響を与える可能性があります。
射精量の減少に不安を感じる場合はセルフチェックを行い、必要に応じて経験豊富な医師に相談しましょう。
性欲減退の改善策
性欲減退の改善策について、以下の内容を解説します。
- バランスの良い食事を摂る
- 十分な睡眠でホルモンバランスを整える
- 適度な運動を行って血行促進する
- ストレスマネジメントを行う
バランスの良い食事を摂る
性欲減退の改善には、バランスの良い食事が不可欠です。男性ホルモンであるテストステロンは、性欲を維持するうえで重要な役割を果たしています。テストステロンの生成には、特定の栄養素が関わっているため、食事内容を意識することが大切です。
栄養素と期待される効果については以下のとおりです。
栄養素 |
期待される効果 |
多く含まれる食品例 |
亜鉛 |
テストステロンの生成サポート、精子の質向上 |
牡蠣、レバー、牛肉、ナッツ類、大豆製品など |
ビタミンB群 |
エネルギー代謝促進、疲労回復、神経機能の維持 |
豚肉、鶏肉、魚、卵、ナッツ類、豆類、緑黄色野菜など |
タンパク質 |
筋肉や組織の構築、ホルモンの材料 |
肉、魚、卵、大豆製品、乳製品など |
炭水化物 |
エネルギー源 |
米、パン、麺類、イモ類、果物など |
脂質 |
ホルモンの材料、細胞膜の構成成分 |
魚、ナッツ類、アボカド、オリーブオイルなど |
さまざまな食品をバランス良く摂ることで、ホルモンバランスが整い、性欲減退の改善につながる可能性があります。栄養素の過不足は、身体のさまざまな機能に影響を及ぼします。極端な食事制限や偏った食生活は、かえって性欲減退を悪化させる可能性もあるため、注意が必要です。
ご自身の食生活に不安がある場合は、栄養士などの専門家に相談してみることをおすすめします。
十分な睡眠でホルモンバランスを整える
現代社会において、睡眠不足は深刻な問題です。睡眠不足は、ホルモンバランスを乱し、性欲減退を招く大きな要因となります。成長ホルモンやテストステロンといったホルモンは、睡眠中に分泌が促進されます。ホルモンは、性欲の維持だけでなく、身体の成長や修復、免疫機能の調整など、さまざまな役割を担っています。
睡眠時間が不足すると、ホルモンの分泌が阻害され、性欲の低下だけでなく、身体のさまざまな機能に悪影響を及ぼす可能性があります。疲労感の増大や集中力の低下、免疫力の低下などが挙げられます。
理想的な睡眠時間は、個人差がありますが、一般的には1日6〜8時間程度と言われています。毎日同じ時間に寝起きし、規則正しい睡眠リズムを保つように心がけましょう。寝る直前のカフェイン摂取やスマートフォン、パソコンの操作は、睡眠の質を低下させる可能性があるため、避けることが推奨されます。
睡眠環境を整えることも大切です。静かで暗い部屋で、快適な温度と湿度を保つようにしましょう。自分に合った寝具を選ぶことも、質の良い睡眠を得るために重要です。
適度な運動を行って血行促進する
適度な運動は、心身の健康維持に不可欠です。性欲減退の改善にも、運動は効果的です。運動は、血行を促進し、テストステロンの分泌を促す効果があります。スクワットやデッドリフトなどの筋力トレーニングは、筋肉量を増やし、テストステロンの分泌をより効果的に高めることが期待できます。
ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動も、血行促進に効果的です。有酸素運動は、心肺機能の向上にもつながり、持久力の向上や生活習慣病の予防にも役立ちます。
激しい運動は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を増加させ、テストステロンの分泌を抑制する可能性があります。運動は、適度な強度と時間で続けることが大切です。週に数回、30分程度の運動を継続的に行うことを目指しましょう。
運動の種類や強度、頻度は、年齢や体力、健康状態に合わせて調整する必要があります。持病がある方や、運動に慣れていない方は、医師や専門トレーナーに相談しながら、安全に運動を行うようにしてください。
ストレスマネジメントを行う
現代社会はストレス社会とも言われています。ストレスは、性欲減退の大きな原因の一つです。ストレスを感じると、コルチゾールというホルモンが分泌され、テストステロンの分泌が抑制されます。ストレスを軽減するためには、さまざまな方法があります。
深呼吸や瞑想、ヨガ、アロマテラピーなど、自分に合ったリラクゼーション法を見つけることが大切です。趣味や好きなことに時間を費やすことも、ストレス発散につながります。読書、音楽鑑賞、映画鑑賞、旅行など、自分が楽しめる活動を見つけ、積極的に取り組んでみましょう。
信頼できる人に相談することも、ストレス軽減に効果的です。家族や友人、同僚などに話を聞いてもらうことで、気持ちが楽になることもあります。
自分一人で対処するのが難しい場合は、専門家のサポートを受けることも検討しましょう。精神科医やカウンセラーに相談することで、より適切なアドバイスやサポートを受けることができます。
男性専門クリニックに相談するメリット3選
男性専門クリニックには、他の医療機関にはないさまざまなメリットがあります。主なメリットについて、以下の3つを解説します。
- プライバシーへの配慮
- 専門的な知識と経験にもとづいた診断・治療
- 包括的なサポート体制
プライバシーへの配慮
男性専門クリニックは、プライバシーへの配慮が徹底されている点が大きなメリットです。性欲減退はデリケートな問題です。そのため、他の人に知られたくない、相談しにくいと考えるのは当然のことです。男性専門クリニックでは、待合室や診察室までの動線の設計、スタッフの対応など、あらゆる面でプライバシー保護に最大限の配慮をしています。
待合室は他の患者さんと顔を合わせにくいような工夫が凝らされている場合が多く、基本的に個室もしくはパーティション等で区切られており、他の患者さんの目を気にせず、リラックスできるよう設計されています。
専門的な知識と経験にもとづいた診断・治療
男性専門クリニックでは、専門的な知識と豊富な経験を持つ医師が、性欲減退の原因を特定し、適切な治療法を提案します。性欲減退の原因は、加齢による男性ホルモン(テストステロン)の減少やストレス、生活習慣の乱れ、精神疾患、薬の副作用など、実にさまざまです。
原因が特定できないまま自己判断で市販薬などを服用すると、症状が悪化したり、別の病気を併発したりするリスクがあります。専門クリニックでは、問診やホルモン検査、血液検査、画像検査などを通して原因を特定し、患者さん一人ひとりに最適な治療プランを策定します。
必要に応じて、ホルモン補充療法や生活習慣の改善指導、診察、薬物療法などから最適な方法の提案を受けることができます。
包括的なサポート体制
男性専門クリニックでは、診断・治療だけでなく、さまざまなサポート体制が整っている点も大きなメリットです。性欲減退は、身体的な問題だけでなく、精神的な問題も深く関わっているケースが多いです。
生活習慣の改善指導やメンタルヘルスケア、パートナーとのコミュニケーションに関するアドバイスなど、多角的なサポートを受けることができます。専門クリニックでは、ご希望があればパートナーと一緒に診察を受けることも可能です。
治療後の経過観察やアフターケアも充実していますので、安心して治療を継続できます。専門クリニックのサポート体制を活用して心身の健康も取り戻し、より豊かな人生を送りましょう。
なお、EDの治療を検討する際には、費用面も気になるポイントの一つです。治療薬の価格や保険の適用範囲、手術の選択肢など、知っておきたい情報を以下の記事で詳しく解説しています。
>>ED治療の費用は?治療薬や手術の価格相場を比較
まとめ
30代男性の性欲減退は、ストレスや生活習慣、加齢、精神疾患などさまざまな原因が考えられます。性欲の低下や勃起機能の不調、朝立ちの減少、射精量の減少といった症状に心当たりがある方は、まずはセルフチェックを試してみましょう。
性欲減退を改善するには、バランスの良い食事や十分な睡眠、適度な運動、ストレスマネジメントが大切です。男性専門クリニックに相談することで、プライバシーに配慮した環境で、専門的な知識と経験にもとづいた診断・治療、そして包括的なサポートを受けることができます。
性欲減退は、生活の質に大きく関わる問題です。決して恥ずかしいことではありません。積極的に対策を講じ、より活力ある毎日を取り戻しましょう。
朝立ちは男性の健康状態を知るバロメーターとも言われています。加齢や体調の変化により頻度が減ることもありますが、勃起機能やホルモンバランスの変化を見極めるヒントになる重要なサインです。以下の記事では、朝立ちの仕組みや年齢による変化、健康との関係について詳しく解説しています。
>>朝立ちの仕組みと健康状態の関係、年齢による変化と対策
参考文献
Théo Korchia, Vincent Achour, Mélanie Faugere, Ali Albeash, Dong Keon Yon, Laurent Boyer, Guillaume Fond. Sexual Dysfunction in Schizophrenia: A Systematic Review and Meta-Analysis. JAMA Psychiatry, 2023 Nov 1;80(11):1110-1120.
ページ監修:総院長「葉山芳貴」紹介

総院長、医学博士 葉山芳貴
経歴
- 平成14年
- 聖マリアンナ医科大学 卒業
- 平成20年
- 大阪医科大学 大学院 卒業
- 平成22年
- 大手美容形成外科 院長 就任
- 平成27年
- メンズサポートクリニック開設
- 平成28年
- メンズサポートクリニック新宿 院長就任
- 平成28年
- 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)