包茎手術のメリットとデメリットは?安心して治療を受けるための基礎知識を解説|MSクリニック横浜
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包茎手術のメリットとデメリットは?安心して治療を受けるための基礎知識を解説

  • 更新日:2024.12.25
  • 投稿日:2024.12.25

包茎手術を受けるかどうか悩んでいる方は多いです。清潔感や性生活の向上、見た目へのコンプレックス解消などメリットがある一方で、痛みや合併症などのデメリットもあります。 包茎は多くの男性が抱える悩みの一つです。 

この記事では、包茎手術のメリット・デメリットや種類、手術の流れや病院の選び方まで、網羅的に解説します。具体的な例を交えながら解説しているので、手術を受けるかどうかの判断材料にしてみてください。

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包茎手術のメリット・デメリット

包茎手術を受けるかどうかは、人生における大きな決断の一つです。メリットとデメリットをよく理解し、ご自身に合った治療法かどうかを判断することが大切です。包茎手術を受けることで得られるメリットと、起こりうるデメリットを解説します。

メリット:衛生状態の改善、性機能の向上など

包茎手術のメリットは、大きく分けて3つあります。1つ目は衛生状態の改善です。包茎の状態によっては、包皮の中に汚れ(恥垢)が溜まり、細菌が繁殖しやすくなります。手術で包皮を切除することで、垢が溜まりにくく清潔を保ちやすくなります。その結果、感染症などのリスクを減らす効果も期待できます。

2つ目は性機能の向上が挙げられます。亀頭が包皮で被われたまま性行為を行うと、包皮によって亀頭への刺激が減弱されるため、本来得られるべき快感が損なわれます。一方、勃起時に亀頭が露出するケースでは、普段から亀頭が刺激にさらされていないので性行為のときに痛みを感じたり、過敏に感じたりすることがあります。包茎手術をすれば、亀頭が直接刺激されるようになり、本来得られるべき快感が得られないばかりか、亀頭の過敏性も、亀頭が下着に擦れる等の刺激によって、次第に刺激に慣れていくことで過敏さが解消される可能性が高く、より満足のいく性生活を送れるようになります。

3つ目は見た目に関するものです。包皮があることで、見た目にコンプレックスを感じている方も多いです。思春期の男の子にとって、自分の体に関するコンプレックスは悩みになり得ます。包茎手術は、見た目の悩みを解消し、自信にもつながります。

真性包茎の場合、包皮を完全に露出することができません。どうしても汚れが溜まりやすく、不衛生になりがちです。包茎手術を受けることで清潔にしやすくなり、臭いやかゆみ、炎症といったトラブルから解放される方も多いです。仮性包茎の場合でも、包皮が余っていることで、性行為の際に邪魔になる場合があります。

デメリット:痛みや腫れなど

包茎手術にはメリットだけでなく、以下のデメリットも存在します。

デメリット

具体的な内容

痛みや腫れ

手術直後には痛みや腫れが生じる

一時的な亀頭過敏

亀頭が常に露出した状態になるため、一時的に過敏になることがある

手術跡

手術跡が目立つ可能性がある

合併症のリスク

まれに出血、感染症、肥厚性瘢痕などの合併症が起こる可能性がある

費用の負担

保険適用外の場合、高額な費用がかかることがある

手術後の痛みは個人差がありますが、数日間続く場合もあります。痛み止めの処方もあるので、我慢せずに医師に相談しましょう。一時的な感度低下も、時間の経過とともに改善していきます。合併症は稀ですが、出血が止まらない・発熱する・傷の周りの赤みが広がるなどの症状が現れた場合は、すぐに医療機関に連絡してください。

包茎手術のリスク

包茎手術をはじめ、どんな手術にもリスクはつきものです。包茎手術を受けるか判断する前に、どのようなリスクがあるのかを理解しておきましょう。

出血や感染、手術跡などの合併症

包茎手術のリスクはさまざまです。出血は手術中だけでなく、術後にも起こります。少量の出血は自然に止まることが多いですが、大量に出血する場合はすぐに医師に連絡する必要があります。

手術部位が細菌に感染する場合もあります。傷口が赤く腫れたり、痛みや熱を持ったり、膿が出たりする場合は感染の可能性が高いです。体の抵抗力が下がっているときに起こりやすいので、日頃からバランスの良い食事や十分な睡眠を心がけ、免疫力を高めておきましょう。

手術跡は必ず残ります。手術跡を最小限にするためには、手術跡の目立ちにくい手術方法を選択することはもちろんですが、医師の指示に従って適切なアフターケアを行うことも重要です。手術跡が目立つ、ケロイド状になるといった合併症は稀ですが、可能性があることを把握しておきましょう。手術部位の皮膚の色が変わってしまう「色素沈着」や、逆に色が白くなってしまう「色素脱失」といった合併症も考えられます。

手術を受ける医療機関の衛生環境や医師の技術、患者さん自身の体質など、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こります。合併症のリスクを最小限に抑えるには、清潔な環境で手術を行うこと、経験豊富な医師を選ぶこと、術後のケアを適切に行うことが大切です。

再手術の可能性

包茎手術後、まれに再手術が必要になる場合があります。傷口がうまくくっつかず、再度縫合する必要がある場合や、包皮が十分に切除されず、再び包茎の状態に戻ってしまう場合などです。手術によって包皮が短くなりすぎて、勃起時に痛みを伴う場合も再手術が必要になることがあります。

手術後に包皮が癒着してしまい、亀頭を露出できなくなるケースや、亀頭の周りの皮膚が余ってしまい、見た目が不自然になるケースも稀にあります。再手術が必要かどうかは、医師が丁寧に診察し判断します。

再手術は、初回の手術よりも複雑になる場合があり、費用も追加で発生する可能性があります。再手術が必要となる確率は低いですが、ゼロではありません。手術を受ける前に、医師から再手術の可能性についても説明を受け、納得したうえで手術を受けましょう。

包茎の主な3つの種類

包茎には、主に以下の3種類があります。

  • 仮性包茎
  • カントン包茎
  • 真性包茎

仮性包茎

仮性包茎は、一見すると包皮が亀頭を覆っているように見えますが、手で簡単に剥ける状態です。仮性包茎は、必ずしも手術が必要なわけではありません。成長とともに自然に改善されるケースも多いため、経過観察で様子を見ることもあります。恥垢が溜まりやすく不衛生な状態が続く場合や、見た目を気にしている場合は、手術という選択肢も考えられます。

仮性包茎の手術は、真性包茎と同様に、包皮を切除する方法が一般的です。手術で包皮を切除すれば、衛生状態の改善や見た目のコンプレックスの解消といった効果が期待できます。仮性包茎の手術は保険適用外になります。費用が高額になる可能性があるため、メリットとデメリットを比較検討したうえで判断しましょう。

カントン包茎

カントン包茎は、仮性包茎の一種で、亀頭を露出することはできますが、包皮の開口部が狭く、亀頭を露出させると、再び被せるのが容易ではないできない状態です。包皮の開口部と亀頭との直径差により、亀頭を露出させると包皮の開口部が亀頭直下に嵌まり込んでしまった状態を嵌頓と呼びます。カントン包茎は仮性包茎のうちで嵌頓を起こすものと考えると理解しやすいでしょう。

重症度は様々ですが、勃起していない普段の時から亀頭を露出させるのが容易ではないことが多く、恥垢が溜まりやすく不衛生になりがちです。カントン包茎のために恥垢が溜まり、炎症を起こす方も多いです。

思春期を迎えると皮脂の分泌が増えるため、炎症のリスクはさらに高まります。亀頭を清潔に保てないことが原因で、不快な臭いを発する場合もあります。カントン包茎の場合、手術によって包皮の開口部を広げる、あるいは包皮の一部を切除することで、亀頭を清潔に保ちやすくなります。

手術方法は、包皮の状態や患者さんの希望によって異なるため、医師とよく相談することが大切です。

真性包茎

真性包茎は、亀頭を完全に露出できない状態です。

亀頭が全く見えないものから、亀頭の先端が少し見える程度のものまで重症度は様々ですが、カントン包茎と同様に、恥垢が溜まりやすく、衛生状態が悪化しやすい状態です。

真性包茎の患者さんの中には、排尿時に尿が包皮と亀頭の隙間に溜まり、風船のように膨らんでしまう方もいます。将来的に尿路感染症のリスクにもつながり、性行為で困難が生じるケースも多いです。また、尿に含まれるカルシウムによって、包皮と亀頭の隙間に尿石を形成することがあります。真性包茎の場合、包皮を切除する手術が必要です。

手術によって亀頭を露出させれば、衛生状態の改善や排尿障害の解消、性生活の改善といった効果が期待できます。真性包茎は放置することでさまざまな問題を引き起こすため、早期に適切な治療を受けることが重要です。

以下の記事では、包茎の種類について、より詳しく解説しています。包茎の図もあるので、参考にしてみてください。
>>包茎の種類・包茎とは?

包茎手術を受ける医療機関の選び方

包茎手術はデリケートな部分の手術であるため、医療機関選びは重要です。どの医療機関を選べば良いのかわからず、不安に思っている方が多いのが現状です。

包茎手術は総合病院の泌尿器科や形成外科をはじめとして、診療所やクリニック、美容外科などでも受けることができます。総合病院では主に保険適用の手術が対象となり、保険適用外の手術や、美容を目的とした手術はクリニックで受けることになります。そのため、包茎手術のほとんどがクリニックで行われています。安心して手術を受けるために、クリニック選びのポイントを3つの視点から解説します。

経験豊富な医師のいるクリニックを選ぶ

包茎手術は、経験豊富な医師に執刀してもらうことが重要です。経験豊富な医師であれば、さまざまな症例を経験しているため、合併症のリスクを最小限に抑えられます。また、さまざまな手術方法に精通しており、あなたの包茎の状態に合った最適な方法を提案してくれます。

手術跡が目立ちにくい手術方法や、痛みが少ない手術方法など、さまざまな選択肢の中からあなたにぴったりの方法を選んでくれます。合併症が起きた場合でも、適切な処置を行ってくれるので安心です。

また、経験豊富な医師かどうかプロフィールからわからない場合は、泌尿器科専門医や形成外科専門医、外科専門医等の専門医を取得しているかが一つの目安となります。専門医の探し方としては、日本泌尿器科学会や日本形成外科学会、日本外科学会のWebサイトで専門医を検索できます。

小児の包茎手術は、大人の手術とは異なる技術と配慮が必要となるため、小児の包茎手術の経験が豊富な医師を選ぶことが重要です。

診療体制が充実してるクリニックを選ぶ

安心して手術を受けるためには、クリニックの診療体制も重要なポイントです。診察の際には、医師からあなたの包茎の状態や手術方法、費用、リスクなどについて詳しく説明を受けられるか確認しましょう。

手術後の経過や注意点、再発の可能性や予防策など、気になることは何でも相談できる雰囲気かどうかを確かめることも大切です。医師との信頼関係を築くためにも、診察は重要です。

医師からの説明がほとんどなく、主にカウンセラーが説明を行うようなクリニックでは医師との信頼関係を築くことが困難なばかりか、トラブルが生じたときに責任の所在が不明確になるため、そのようなクリニックは避けた方が良いでしょう。

医師の診察がないクリニックは論外ですが、診察の前にカウンセラーと手術内容を決めてしまったり、診察があっても医師からの説明がほとんどなかったりするクリニックでの手術は避けましょう。多くの場合、アルバイト医師では詳しい説明ができないのでカウンセラーが説明する体制がとられているからです。また、カウンセラーと人間関係を築いてもカウンセラーが手術を行うわけではないので、万一、トラブルが生じた際に医師とカウンセラーの間で責任のなすりつけあいが起こり、満足な対応を受けれない恐れがあります。

診療の効率化のためにカウンセラーを採用してるクリニックは多く、それ自体は問題ないのですが、クリニックのカウンセラーは心理カウンセラーの資格をとった有資格者ではなく、無資格の事務員であることがほとんどですので、カウンセラーが手術の説明を行なっているクリニックは注意が必要です。

口コミや評判を参考にする

クリニックのホームページや口コミサイトなどで、実際に手術を受けた人の体験談や評判をチェックすることもおすすめです。手術の技術やクリニックの雰囲気、アフターケアの充実度など、さまざまな情報を得ることができます。

「先生や看護師さんが優しく、安心して手術を受けられた」「手術後の痛みがほとんどなく、すぐに日常生活に戻れた」といった口コミがあれば、信頼できる可能性が高いです。「手術の説明が不十分だった」「手術後の痛みがひどかった」などのネガティブな口コミが多いと、注意が必要です。

あまりにも独自色の強いクリニックも注意が必要です。クリニック独自のオリジナル色の強い手術方法は実際には標準的な手術方法と大差ない誇大広告であることがあります。「〇〇式〜術」のほとんどは標準的な「〜術」と全く差が無いか、差があってもひと手間あるいはひと工夫加えた程度の手術で、あくまで「〜術」という手術であることに変わりありません。ひと手間やひと工夫が優れている事例ももちろんありますので、十分な比較検討が必要です。一方、全くオリジナルの手術方法であっても、標準的な手術方法よりも優れている保証は無いばかりか、トラブルが生じた際に他の医療機関で対処できないことが多く、万一の際に不利益が生じることがあります。

誇大広告の一例として、「レーザー手術」が挙げられます。レーザーで皮膚を切断すると断端は火傷となり火傷痕が残ることはレーザーを使用したことがある医師ならすぐにわかることですが、患者さんは「レーザー手術」をより良い手術と誤認してしまいます。

複数の口コミサイトをチェックし、さまざまな意見を比較することで、より客観的な判断ができます。口コミだけでなく、医療機関のホームページで手術の実績や症例数を確認することも重要です。症例数が多いほど、医師の経験値も高く、安心して手術を任せられます。

手術費用やアフターケアを確認する

包茎手術の費用は、病院によって大きく異なります。保険適用となる場合もありますが、仮性包茎の場合は保険適用外です。手術前に、費用の内訳や支払い方法などをしっかりと確認しておきましょう。

費用が安ければお財布に優しいのは間違いないのですが、安価すぎるクリニックには注意が必要です。実際に診察を受けると、安価な手術方法の対象外と言われ、高額な手術方法を勧められるケースや、モニターと称して経験の浅い新人医師やアルバイト医師が執刀するケースも散見されます。

費用だけでなく、アフターケアの内容も重要です。治り具合のチェックや、合併症の有無の確認など、丁寧なアフターケアを行ってくれる病院を選びましょう。包茎手術は術後のケアが大切で、医師の指示通りに消毒や軟膏塗布などの処置を行う必要があります。手術費用だけでなく、アフターケアの内容や費用についても事前に確認しておきましょう。

手術後の生活への影響についても確認しておくことが大切です。手術後、どれくらいの期間安静が必要なのか、日常生活でどのような制限があるのかなどを事前に把握しておくことで、手術後の生活をスムーズに送れます。

セカンドオピニオンも検討してみましょう。セカンドオピニオンとは、現在かかっている医師以外の医師に意見を求めることです。別の医師の意見を聞くことで、より納得のいく治療法を選択できる可能性があります。手術を受けるかどうか迷っている場合は、セカンドオピニオンを受けることで、手術の必要性やリスク、メリット、デメリットなどを改めて検討できます。

まとめ

包茎手術のメリット・デメリットや手術の種類、手術の流れや術後ケア、クリニックの選び方について解説しました。包茎手術は、衛生状態や性機能、見た目の改善などさまざまなメリットがありますが、痛みや腫れ、一時的に亀頭の過敏さが気になるといったデメリットも存在します。

種類もさまざまで、症状に合った手術を選択することが重要です。手術を受ける際は、信頼できる医師を選び、術前後の説明をしっかり受け、納得したうえで手術に臨みましょう。不安な場合は、セカンドオピニオンも検討してみてください。

以下の記事では、包茎の手術や治療、タイプや症状などについて網羅的に解説しています。包茎にお悩みのある方はぜひチェックしてみてください。
>>包茎のお悩み、包茎手術は男性専門泌尿器形成のMSクリニック横浜へ

参考文献

  • and American Academy of Pediatrics Task Force on Circumcision. “Male circumcision.” Pediatrics 130, no. 3 (2012):e756-85.
  • Omole F, Smith W and Carter-Wicker K. “Newborn Circumcision Techniques.” American family physician 101, no. 11 (2020):680-685.

ページ監修:総院長「葉山芳貴」紹介

葉山芳貴

総院長、医学博士 葉山芳貴

経歴

平成14年
聖マリアンナ医科大学 卒業
平成20年
大阪医科大学 大学院 卒業
平成22年
大手美容形成外科 院長 就任
平成27年
メンズサポートクリニック開設
平成28年
メンズサポートクリニック新宿 院長就任
平成28年
医療法人清佑会 理事長 就任

資格

医師免許(医籍登録番号:453182)

保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)