勃起時に包茎が痛い?原因と解決策を医師が解説|MSクリニック横浜
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勃起時に包茎が痛い?原因と解決策を医師が解説

  • 更新日:2024.12.25
  • 投稿日:2024.12.25

勃起時に痛みを感じていませんか?勃起時の痛みは、包茎による可能性があります。包茎にはいくつかの種類があり、症状の程度や感じ方が異なります。この記事では医師が包茎の種類や症状、手術以外の解決策までを具体例を交えてわかりやすく解説します。適切な治療を通じて、不安や痛みの軽減を目指し、より快適な生活を送りましょう。

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包茎の種類と勃起痛の関係

包茎と勃起痛の関係は、包茎の種類によって大きく異なります。大きく分けて、仮性包茎、真性包茎、カントン包茎の3種類があり、それぞれの状態に応じて痛みの感じ方が異なることがあります。

仮性包茎

仮性包茎は、普段は亀頭が包皮に覆われていますが、勃起時や手で包皮を引っ張ると亀頭が露出する状態です。多くの成人男性が仮性包茎に当てはまります。仮性包茎の場合、通常は痛みや不快感はあまりありません。

真性包茎

真性包茎は、勃起していない普段のときも勃起時も亀頭が包皮に完全に覆われたままで、自分で亀頭を完全に露出させることができない状態です。包皮の出口が狭く、亀頭が小さな袋に閉じ込められているような状態です。真性包茎は、勃起時に亀頭が露出しないため、痛みや圧迫感を感じることがあります。さらに、包皮の中に垢が溜まりやすく、炎症や感染症を起こしやすいため注意が必要です

カントン包茎

カントン包茎は、仮性包茎の一種ですが、包皮の出口が少し狭い場合、勃起時に包皮が亀頭直下の陰茎部分に嵌まり込んで元に戻らなくなる状態です。包皮の出口の狭さの程度によって、勃起していないときはスムーズに亀頭を露出できるものから、勃起していないときでも亀頭を露出させるのが一苦労なものまでさまざまですが、多くの場合、被った状態で勃起すると亀頭を露出させることは困難で、亀頭を露出した状態から勃起すると被せるのが困難な状態です。

また、亀頭直下の陰茎が締め付けられるような強い痛みを感じる方もいます。カントン包茎は、強い痛みと腫れを伴い、放置すると最悪の場合、亀頭が壊死してしまう可能性もあるため、緊急の治療が必要です。

包茎によって性的な不安や緊張感が高まり、勃起不全や早漏といった問題につながる可能性も指摘されています。勃起時に痛みや違和感がある場合は、自己判断せずに、早めに泌尿器科を受診しましょう。

以下の記事では、包茎の種類について、より詳しく解説しています。包茎の図もあるので、参考にしてみてください。
>>包茎の種類・包茎とは?

包茎による勃起痛以外の症状

包茎は勃起痛以外にも、さまざまな症状を引き起こす可能性があります。具体的には以下が挙げられます。

  • 排尿障害: 包皮が狭いため、排尿時に包皮が風船のように膨らんで尿が飛び散り、排尿がスムーズにいかないことがあります。真性包茎でよく見られます。
  • 感染症リスク: 包皮の中に垢が溜まりやすく、細菌が繁殖しやすい環境となるため、感染症のリスクが高まります。
  • 亀頭包皮炎:汚れや細菌の感染によって、 包皮と亀頭の間に炎症が起こり、痛みやかゆみ、腫れなどを引き起こします。
  • 悪臭: 恥垢が蓄積することで、不快な臭いを発することがあります。
  • 陰茎がんリスク:亀頭に陰茎癌が発生しても亀頭が包皮に隠れていると癌の発見が遅れる可能性があります。

仮性包茎であっても、適切なケアや治療が必要な場合があるため、早めに医療機関を受診しましょう。

勃起時の痛みを解決する方法

解決する方法として包茎手術と、手術以外の方法があります。手術の種類や費用について、手術以外の方法で症状を改善する選択肢についても紹介します。

手術による治療

手術は、包茎による痛みや衛生上の問題、性生活の困難さを解消するための選択肢の一つです。手術にはいくつかの種類があり、それぞれ費用や特徴が異なるため、ご自身の状況や希望に合った手術方法を選ぶことが重要です。

環状切除術

環状切除術は、包茎手術の中で最も一般的でシンプルな方法です。亀頭を覆っている余分な包皮を環状に切除し、断端を縫合します。手術時間は30分~1時間程度と比較的短く、日帰りで手術が可能です。費用は保険適用で3割負担の場合、1~3万円程度が目安です。自由診療の場合は10〜40万円程度かかることもあります。

背面切開術

背面切開術は、包皮を切除することなく、包皮の一部を縦に切開することで、亀頭を露出しやすくする手術方法です。「割礼」も背面切開の一種です。包皮をなるべく残したい方や、宗教的な理由などで包皮を切除したくない方におすすめです。環状切除術に比べて手術の難易度が低いため、費用は自由診療で10~20万円程度かかることもあります。

合併症

包茎手術は比較的安全な手術ですが、出血、感染、肥厚性瘢痕、知覚異常などの合併症が起こることがあります。出血や感染は適切な処置を行えば問題ありませんが、肥厚性瘢痕や知覚異常は体質によっては残ってしまう可能性があります。

包茎手術を受ける前に、手術方法や費用、リスク、術後の経過などについて、医師とよく相談し、納得したうえで手術を受けることが大切です。手術を受けるかどうか迷っている場合は、セカンドオピニオンを受けましょう。

手術以外の治療法

手術以外の治療法として、ステロイド軟膏と包皮拡張器を紹介します。

ステロイド軟膏

ステロイド軟膏は、小児の包茎治療に用いられることが多い治療法です。ステロイド軟膏は、炎症を抑え、包皮を柔らかくする効果があります。包皮が炎症を起こして硬くなっている場合や、包皮が狭くて亀頭が出にくい場合には成人にも用いられることがあります。ステロイド軟膏を塗ることで、包皮の柔軟性を高め、亀頭を出しやすくすることができます。

ステロイド軟膏を使用する際の注意点としては、医師の指示に従って適切な量と頻度で使用することが大切です。ステロイド軟膏は、長期間使用すると、皮膚が薄くなったり、毛細血管が拡張したりするなどの副作用が出る可能性があります。自己判断で使用を続けず、定期的に医師の診察を受けましょう。ステロイド軟膏を使用する際は、清潔な手で患部に塗布し、塗り終わったら手をよく洗いましょう。

ステロイド軟膏を用いても包皮が短くなることはないので、包茎手術が不要になるわけではありません。包皮口が細かったり、固かったりする場合に剥けやすくする薬とお考えください。

包皮拡張器

包皮拡張器は、包皮を徐々に広げることで、包皮の狭窄を改善すると謳っている器具です。しかし、このような器具を用いると包皮に気付かないほどの微細な傷が生じます。微細な傷なのですぐに治癒しますが、再度器具を使用して傷を生じて、治癒してを繰り返していくと、包皮は厚く硬くなり、全く逆効果になる事例もあり、この種の器具は推奨できません。

まとめ

勃起時に痛みを感じ包茎でお悩みの方は、それぞれの症状と適切な対処法を知ることが重要です。自己判断でケアをせずに放置すると、炎症や壊死といった深刻な事態に発展する可能性もあるため、少しでも違和感があれば早めに医療機関を受診しましょう。

手術以外の選択肢として、ステロイド軟膏といった方法も存在します。

どの治療法が最適かは、個々の状況によって異なるため、医師との相談を通して、ご自身に合った方法を見つけることが大切です。痛みや不安を抱え込まず、まずは医療機関に相談しましょう。

以下の記事では、包茎の手術や治療、タイプや症状などについて網羅的に解説しています。包茎にお悩みのある方はぜひチェックしてみてください。
>>包茎のお悩み、包茎手術は男性専門泌尿器形成のMSクリニック横浜へ

参考文献

  1. Rahman Gazder TU, Abidi SS, Rabiullah S, Zulfiqar M, Qamar U, Hussain M. Outcomes of Double-Face Buccal Mucosal Urethroplasty for Treating Anterior Urethral Stricture in Adult Males. Journal of the College of Physicians and Surgeons–Pakistan : JCPSP 34, no. 11 (2024): 1343-1346.
  2. Outcomes of Double-Face Buccal Mucosal Urethroplasty for Treating Anterior Urethral Stricture in Adult Males
  3. 包茎患者における心身医学.的研究 

 

ページ監修:総院長「葉山芳貴」紹介

葉山芳貴

総院長、医学博士 葉山芳貴

経歴

平成14年
聖マリアンナ医科大学 卒業
平成20年
大阪医科大学 大学院 卒業
平成22年
大手美容形成外科 院長 就任
平成27年
メンズサポートクリニック開設
平成28年
メンズサポートクリニック新宿 院長就任
平成28年
医療法人清佑会 理事長 就任

資格

医師免許(医籍登録番号:453182)

保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)