彼氏が包茎であることのメリット・デメリットやリスクを解説
- 更新日:2025.03.01
- 投稿日:2025.03.01

彼氏が包茎で悩んでいたり「パートナーが包茎かも…」と不安を抱えていたりしませんか?包茎は決して珍しい状態ではありません。一方で、包茎には衛生状態の悪化や感染症リスク、性交痛といったデメリットがあることも事実です。
この記事では、包茎のメリット・デメリットを詳しく解説します。包茎に対するよくある誤解や包茎手術も解説するので、包茎の正しい知識を知りたい方はご覧ください。
当院では仮性包茎や真性包茎、カントン包茎についてのお悩み相談も受け付けています。不安を感じている方は当院公式サイトをご確認ください。
彼氏が包茎のメリットとは?
包茎とは、亀頭が包皮で常に覆われている状態です。包茎は一見デメリットばかりに思えるかもしれませんが、実はメリットもあります。
包茎の最初のメリットは、亀頭を保護してくれることです。包皮はデリケートな亀頭を外部からの刺激や摩擦から守る役割を果たしています。衣類との摩擦やスポーツなどによる衝撃から亀頭を保護してくれるため、傷つきにくく、皮膚のコンディションを良好に保ちやすくなります。
包茎は亀頭の乾燥を防ぐことにも効果的です。亀頭が乾燥すると皮膚がカサカサしたり、ひび割れたりして、痛みやかゆみを感じる場合があります。包茎の場合は、包皮が亀頭を覆っているため、適度な湿度が保たれ、乾燥しにくい状態です。
亀頭は敏感な部分です。包皮に覆われていることで、外部からの刺激が直接伝わらず、過敏に感じるのを防ぎます。性行為の際にも、適度な刺激で満足感を得やすくなる可能性があります。
性行為における包茎の影響や、悩みを解消する方法について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
>>包茎はセックスに影響する?包茎の悩み解消法を徹底解説
彼氏が包茎のデメリット2選
彼氏が包茎のデメリットは以下の2つです。
- 衛生状態の懸念
- 性交痛
包茎のデメリットを医学的な視点も交えながら解説します。
衛生状態の懸念
包茎で一番心配なのは、衛生状態です。包皮の内側は、温かく湿った環境になりやすいため、細菌が繁殖しやすい状態になることがあります。
包皮の中に溜まった汚れは、垢や皮脂、尿の残りカスなどが混ざり合って、独特の臭いを発することがあります。包皮の汚れは恥垢(ちこう)と呼ばれ、放置すると、細菌が繁殖しやすくなり、炎症を起こしてしまうため注意が必要です。
炎症は、亀頭包皮炎と呼ばれ、亀頭が赤く腫れ上がり、かゆみを伴うだけでなく、痛みを感じ、膿が出てしまうこともあります。清潔に保つためには、毎日しっかりと丁寧に洗うことが大切です。仮性包茎であれば、包皮を優しく剥いて、石鹸を使って丁寧に洗うことができます。
真性包茎やカントン包茎の場合、包皮を剥くことが難しいため、きれいに洗うのが難しく、衛生状態が悪化しやすい傾向があります。カントン包茎は包皮口が狭いため、汚れが溜まりやすく、炎症を起こしやすい状態です。
適切な衛生管理ができていないと、亀頭包皮炎を繰り返す可能性が高まります。慢性化すると、将来的に手術が必要になるケースも出てくるため、日頃から清潔を心がけることが重要です。
性交痛
男性側の性交痛も、包茎のデメリットの一つです。真性包茎やカントン包茎の場合、包皮口が狭く、勃起時に痛みを伴うことがあります。性交中に包皮が無理に引っ張られることで、亀頭や包皮に亀裂が入ってしまうこともあります。
医学的には「裂傷」を起こした状態と見なすことができ、強い痛みだけでなく、出血を伴うこともあり注意が必要です。仮性包茎の場合でも、包皮が硬く、炎症を起こしている場合は、性交痛が起こる可能性があります。包皮が余分に長く、性交中に摩擦が生じることで痛みを感じたり、炎症を引き起こしたりするケースもあります。
性交痛は、性生活の満足度を低下させるだけでなく、パートナーとの関係に影響を与える可能性があります。痛みを感じた場合は、無理をせずに、経験豊富な医師に相談することをおすすめします。性交痛は我慢するものではなく、治療可能な場合も多いです。
包茎のリスクとよくある誤解
包茎は、思春期を迎える頃には多くの場合自然に改善される可能性があります。中には適切なケアを怠ったり、間違った知識にもとづいて自己判断したりすることで、さまざまなリスクを抱えてしまうケースがあります。正しい知識で不安や誤解を解消し、健康的な生活を送るための参考にしましょう。
包茎が原因で起こりうる病気|亀頭包皮炎、感染症など
包茎により不衛生な状態が続くと、亀頭包皮炎や感染症などの病気の原因になります。亀頭包皮炎になると、亀頭や包皮が赤く腫れ上がり、痛みやかゆみを感じることがあります。
場合によっては、膿が排出されることもあり、日常生活にも支障をきたす可能性があります。亀頭包皮炎を繰り返すことで、包皮が硬くなって剥けにくくなり、真性包茎へと進行してしまうケースも少なくありません。
亀頭包皮炎は病原体に対する皮膚のバリア機能が低下しているため、性感染症のリスクも高めます。性行為の際、病原菌が体内に侵入しやすくなり、感染のリスクが増大します。性感染症は、放置すると重症化したり、不妊の原因になったりする可能性もあるため、早期発見と適切な治療が不可欠です。
子供の包茎|自然に治る?治療が必要なケースとは
多くの男児は、幼少期には包茎の状態ですが、幼少期の包茎は過度に心配する必要はありません。成長とともに包皮が自然に剥けるようになり、思春期を迎える頃にはほとんどの場合改善されます。
ただし、排尿時に痛みや違和感がある、尿の勢いが弱い、亀頭包皮炎を繰り返すといった症状が見られる場合は、経験豊富な医師に相談し、適切な治療を受けることが大切です。
思春期以降も包茎の状態が続く場合は、真性包茎やカントン包茎の可能性があります。真性包茎は、包皮と亀頭が癒着しているため、包皮を剥くことができません。一方、カントン包茎は、包皮口が狭いため、亀頭を露出させると痛みを伴います。真性包茎やカントン包茎の場合は、手術が必要となるケースも考えられます。
包茎と不妊の関係性
包茎が直接不妊の原因となることは稀です。しかし、真性包茎のように包皮が全く剥けない場合は、性交が困難になる可能性があり、結果として妊娠しにくくなる可能性も否定できません。
包茎による性交痛が性行為の頻度や満足度に影響を与えることで、不妊の一因となる可能性があります。痛みを感じた場合は、無理をせずに経験豊富な医師に相談することをおすすめします。
包茎手術の必要性
包茎手術は必ずしも必要ではありません。仮性包茎の場合、適切な衛生管理を心がけることで、手術をせずに済む場合も多いです。真性包茎やカントン包茎の場合でも、症状が軽度であれば、手術以外の治療法を選択できる場合もあります。包茎の状態や症状、患者さんの希望などを考慮して、最適な治療方法を決定します。
手術が必要となるケースとしては、亀頭包皮炎を繰り返す、性感染症のリスクが高い、性交痛が激しいなどです。包茎による精神的な負担が大きい場合や美容目的の場合も、手術を検討する価値があります。
セルフケアで対処できること
仮性包茎の場合は、日々のセルフケアである程度の症状改善につながる可能性があります。毎日のお風呂で亀頭を露出させて優しく洗い、石鹸カスを残さないように丁寧にすすいでください。清潔なタオルで水分をしっかりと拭き取ることも大切です。
ケアを怠ると、雑菌が繁殖しやすくなり、炎症を引き起こす可能性があります。真性包茎やカントン包茎の場合は、セルフケアだけでは改善が難しい場合が多いですが、清潔を保つことは感染症予防につながるため、適切なケアを心がけましょう。
実は、包茎は決して珍しいものではなく、多くの男性が抱える悩みの一つです。正しい割合や治療法について知ることで、より適切な対策がとれるようになります。詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
>>包茎は珍しくない!割合と治療法を正しく理解しよう
包茎手術の概要5選
包茎手術を検討している場合、さまざまな疑問や不安を抱えている人が多いです。包茎手術について、以下の項目を解説します。
- 包茎手術の種類
- 費用
- 痛み
- 術後のケア
- 性生活への影響
包茎手術を正しく理解し、手術を検討する際の材料にしてください。
包茎手術の種類:環状切開術、包皮部分切除術など
包茎手術には、大きく分けて「環状切開術」と「背面切開術」の2種類があります。
環状切開術は、包皮を環状に切開し、余分な包皮を除去する手術です。切除する部位によって、亀頭近くの包皮を切除する「亀頭直下法」と陰茎の根本付近を切除する、「根部切除法」に分かれます。環状切開術では勃起時にちょうど良い長さとなるように包皮を調節するため、非勃起時には包皮が亀頭の一部に乗り上がる状態になり、亀頭を保護する機能は部分的に残ります。
手術自体は比較的簡単で体への負担も少ないため、日帰りでの手術が可能です。
背面切開術は包皮の狭くなっている部分を縦に切開し、亀頭を露出しやすくする手術です。背面切開術は、環状切開術とは異なり、包皮を切除せずに縦に切開する方法です。そのため、亀頭が常に露出するわけではありません。
施術時間は比較的短く、手術の難易度も低いとされています。真性包茎やカントン包茎の治療に用いられることが多いですが、仮性包茎には適応されないことが一般的です。
最適な手術方法は、包茎の状態、患者さんの希望、合併症のリスクなどを総合的に判断して決定します。医師の診察を通して、ご自身に最適な手術方法を選択してください。
「手術」と聞くと、切ることを前提に考えがちですが、実は「切らない包茎手術」という選択肢もあります。痛みを抑えながら包茎の悩みを解消する方法について、詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
>>切らない包茎手術とは?痛みなしで悩みを解消する方法
手術の費用相場
包茎手術の費用は、手術の種類やクリニック、そして保険適用の有無によって大きく変動します。環状切開術の費用は、自由診療の場合10万円〜40万円、保険適用の場合、自己負担額は1万円〜3万円程度です。
背面切開術は、一般的に環状切開術より費用が安く、自由診療で10万円~20万円程度、保険適用で1万円〜3万円程度です。一般的に、環状切開術と比べてシンプルな方法のため、費用が抑えられる傾向があります。
仮性包茎の場合、手術は健康保険の適用外となることが多く、適用外の場合は全額自己負担になります。真性包茎やカントン包茎で日常生活に影響が出ている場合など、医学的に手術が必要と判断されたときは、保険適用となる可能性があります。費用の詳細は、受診予定のクリニックに直接確認してください。
手術の痛みとダウンタイム
手術中は局所麻酔を使用するため、痛みを感じない方が多いです。術後の痛みについても、個人差はありますが、多くの場合、術後に処方される鎮痛剤でコントロールできる程度です。痛みに対する不安が強い場合は、術前に医師に相談し、適切な処置を受けましょう。
ダウンタイムは手術の種類によって異なりますが、一般的には1週間〜4週間程度です。ダウンタイムの間は、激しい運動や性行為、長時間の入浴、飲酒などは控える必要があります。一般的に体に対する負担が少ないものから解禁されていきますが、手術後の経過は個人差が大きいため、医師の指示に従って慎重に行動することが大切です。
術後のケア方法と注意点
術後は傷口を清潔に保ち、感染症を防ぐことが重要です。シャワーは手術翌日以降から可能ですが、湯船に浸かることは傷口が完全に治るまで避けてください。医師の指示に従って、定期的に消毒や包帯交換を行いましょう。
傷口が完全に治癒するまでは、性行為は控えてください。性行為によって傷口が開いてしまうと、出血や感染症のリスクが高まります。医師の指示に従い、適切な時期に性生活を再開することが大切です。
手術後の性生活への影響
包茎手術により、性行為中の痛みが軽減し、快適な性生活につながる可能性があります。ただし、包茎手術を受けたからといって必ず性生活が改善されるわけではありません。性生活への影響は個人差が大きいため、過度な期待は禁物です。
まとめ
包茎には亀頭を保護するメリットがある一方、衛生状態の懸念や性感染症リスク、性交痛といったデメリットも存在します。彼氏が包茎の場合は、メリットやデメリットを考慮し、適切な対応を取りましょう。衛生管理を徹底し、気になる症状があれば、経験豊富な医師に相談することが大切です。
包茎手術は必ずしも必要ではありませんが、症状や状況によっては有効な選択肢になります。手術の種類や費用、術後のケアについても理解し、納得のいく決断を下しましょう。
以下の記事では、包茎の手術や治療、タイプや症状などについて網羅的に解説しています。包茎にお悩みのある方はぜひチェックしてみてください。
>>包茎のお悩み、包茎手術は男性専門泌尿器形成のMSクリニック横浜へ
参考文献
Supriya D. Mehta. The Effects of Medical Male Circumcision on Female Partners’ Sexual and Reproductive Health. Curr HIV/AIDS Rep, 2022, 19(6), pp. 501-507.
ページ監修:総院長「葉山芳貴」紹介

総院長、医学博士 葉山芳貴
経歴
- 平成14年
- 聖マリアンナ医科大学 卒業
- 平成20年
- 大阪医科大学 大学院 卒業
- 平成22年
- 大手美容形成外科 院長 就任
- 平成27年
- メンズサポートクリニック開設
- 平成28年
- メンズサポートクリニック新宿 院長就任
- 平成28年
- 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)